県高校総体前特集 バレーボール男子② 戦力が整い盤石な大分南 【大分県】

全国高校総体(インターハイ)が日田で開催されるバレーボール男子。その県予選となる県高校総体の組み合わせが決まった。今回はシード権を獲得した4校を紹介する。第2回は昨年、全国高校総体、春の高校バレーに出場し、盤石な体制で連覇を目指す大分南。

昨年の県高校総体以降、トップを走り続けている大分南。県高校総体の前哨戦である全九州バレーボール総合選手権大会県予選でも、1セットも失うことなく優勝し、その力を見せつけた。昨年のチームをけん引した2人のエースが卒業した後も、チーム力は落ちていない。キャプテンでセッターの渡辺豊志やエースの水田凰雅など、2年時から活躍してきた経験豊富な3年生が軸となり、盤石な体制を築いている。

成長著しい下級生の存在も頼もしい。次代のエースとして期待される宮永晃宏(2年)や急成長中の井手平夏和(同)、中村海斗(同)、芦谷稔(同)などの攻撃陣に加え、柿原茂徳監督に「高さはないが、うまさでカバーできる」と言わしめるリベロの姫野蓮史(同)、中学時代に県選抜チームの正セッターとして活躍した仲本路惟(1年)など、申し分のない戦力がそろっており、選手層の厚さは県内随一といっても過言ではない。下級生は上級生を見本に、上級生は下級生に刺激を受けながら、着実な成長を遂げている。

チームの仕上がりは上々だが、全国での飛躍を誓う大分南が現状に満足することはない。「課題は多い。例えばサーブレシーブ。全国ではジャンピングサーブを多用するチームが多いので、そのパワーに負けないように鍛えたい。大エースがいない分、サーブで翻弄(ほんろう)できるよう技術を磨くことも必要。全国レベルにはまだまだ足りない」と厳しい言葉を紡ぐ柿原監督は、あらゆる面で力の底上げに取り組んでいる。

もちろん、選手たちの意識も高い。チームの精神的支柱としての役割も果たす渡辺は「今年のチームは30人の大所帯。それぞれ思いも、性格も違うが、キャプテンとしてみんなが同じ方向を向けるように力を尽くす。県大会は全試合ストレートで完全勝利し、全国ではずっと目標にしてきたベスト8を目指したい」と力強く語る。渡辺の思いは全員に共通するもの。30人の気持ちを一つに、大会までの残りわずかな期間を駆け抜ける。

(甲斐理恵)

© オー!エス! OITA SPORTS