「中途半端は嫌...みんなで命を守っていく」ご当地アイドルが“防災インフルエンサー”に 防災士と災害備蓄管理士の資格を取得【わたしの防災】

多くの人にもっと防災に興味を持ってほしい。そんな願いを持つご当地アイドルが浜松市で活動しています。推しの力で命を救う。防災インフルエンサーの取り組みとは。

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5月5日、浜松市中央区のステージでライブ活動をしていたのは、ご当地アイドルユニット「H&A.」。メンバーの谷本尚穂さん(23)、実は別の顔を持っています。

<谷本尚穂さん>
「防災アイドルとしても活動しています、ますちゃんこと、谷本ますほです、よろしくお願いします!」

ファンや同世代の命を守るために切り開いたのは防災アイドルという新ジャンル。主な舞台は、動画配信です。新聞紙で作ったスリッパや推し活には欠かせないペンライトとペットボトルを組み合わせたランタン。家庭でもできる手作り防災グッズだけでなく、避難所での過ごし方など、災害時に役に立つ身近な情報を発信します。

<谷本尚穂さん>
「静岡県に住んでいるといわれるのが『大きい地震来るよ、静岡県』って言うのは、先生や家族からも言われていたんですけど、来るよって言われてもどうすればいいの?と小さいころから思っていて」

東日本大震災や熊本地震、能登半島地震など大きな地震がまるで静岡を囲むように発生する中、警戒が呼びかけられる南海トラフ巨大地震。マグニチュード8~9クラスの地震の発生確率は、30年以内で70%~80%程度と想定されています。

何かをしなきゃいけないと漠然と考えながらも、何をしたらいいのか分からない。不安を抱えた谷本さんを防災アイドルへと導いたのは所属事務所の山本代表でした。

<ヒーローズアカデミー 山本泰子代表>
「ますちゃんが知ったことを人に伝え、伝わった人が実行する。みんなで成長していく、みんなで防災について興味を持っていくという感じですかね。ますちゃんは地元の防災インフルエンサーとしてどんどん頑張っていってほしいと思う」

防災初心者の谷本さんが学びを重ね、発信することでファンと一緒に防災力を高める。一念発起した谷本さんは防災士と災害備蓄管理士の資格を取得しました。

<谷本尚穂さん>
「中途半端にやっていると思われるのは嫌だし、私も中途半端は嫌だったので、ちゃんとやってるって思われたいし、ちゃんとやってるから応援してくれる方も、私も僕もやってみようと思ってくれる方が増えるかなと思って取りました」

本気の谷本さんを頼りにする団体がすでに出てきています。

<谷本尚穂さん>
「とりあえず清潔とかを保てるシャンプーとかはあるので」

防災活動を推進する「命をつなぐ防災備蓄推進協会」は、防災グッズの販売なども手掛けていますが、課題は発信力。防災の知識や経験を広めるためインフルエンサーの役割を任されたのが谷本さんでした。

<命をつなぐ防災備蓄推進協会 袴田泰規代表理事>
「例えば、我々が何らかの手段で発信しても『なんだこのおじさん?』ってなっちゃうので、アイドル活動のファンもいるし、防災のファンもいるし、ますちゃんのファンからどんどん広がり始めているので伝えていく力は必要だと思う」

<谷本尚穂さん>
「防災意識をみんなに高めてもらって、みんなで命を守っていくのが一番大事だと思っているので、まずはYouTubeを通して防災意識を高めてほしい」

ステージアイドルと防災アイドル。誰もやったことのない二刀流で多くの命を救いたいと願う防災インフルエンサーのチャレンジは続きます。

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