ガソリン車は30年以内に市場からなくなる、ハイブリッド車は純EVと長期に共存―中国専門家

13日、騰訊汽車は、今後の自動車市場におけるガソリン車、各種新エネルギー自動車の見通しについて専門家の見解を紹介する記事を掲載した。

2024年5月13日、騰訊汽車は、今後の自動車市場におけるガソリン車、各種新エネルギー自動車の見通しについて専門家の見解を紹介する記事を掲載した。

記事は、福州大学の新エネルギー自動車エネルギー管理制御専門家、林歆悠(リン・シンヨウ)博士の見解を紹介。林氏は将来の自動車動力について、一つのみが生き残ることはなく、多様化の傾向を示すと予測した。まず、ハイブリッド車はモーター制御や重要部品、ハイブリッドシステムの改良に伴って市場に適応し、純電気自動車(EV)と長期にわたって共存する見込みだとした。

また、純EV技術は都市の汚染や炭素削減に向けた重要技術というイメージが広く定着しており、今後さらなる電池技術の進歩やコスト低減によって普及が進み、通勤や短距離移動で主導的地位を占めると予測。さらに、燃料電池車については高いエネルギー効率とチャージの速さで大きな強みを持つ一方、動力源の水素の生産や貯蔵、輸送がコスト面、技術面で大きな課題を抱えており自家用車への普及にはハードルが高いとし、特に長距離輸送や公共交通分野で優位性を発揮することになると予測し、将来はハイブリッド、純EV、燃料電池車の3種類がそれぞれの強みを持ちながら相互補完、共存していくとの見方を示した。

一方で、ガソリン車を始めとする化石燃料車については、政府の政策や代替技術の開発速度、燃料価格、消費者の好みといった複数の要素の影響を受けるものの、おおむね今後20〜30年をかけて徐々に市場から姿を消すことになると予測。ただし、内燃機関は非常に成熟した駆動システムであるため、完全消滅することなく一定の市場空間が残るだろうとした。

林氏はこのほか、次世代動力電池として大きな期待が寄せられる固体電池技術について、安全性やエネルギー密度、充電の速さで優位性が際立っているものの実用化までの道のりはまだまだ長いと指摘したほか、中国の自動車メーカーは市場ニーズに即応すべく純EVやハイブリッド車への投資を優先してきたことで、燃料電池車の開発では日本企業を始めとする世界先進レベルから遅れを取る形になったとの考えを示した。(翻訳・編集/川尻)

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