住民票交付、申請書類の記入不要に 高森町が手続き簡略化 顔写真付き本人確認書類提示で

右側が証明交付申請書。申請者は署名するだけで、住民票などの交付を受けられる=2日、高森町役場

 熊本県高森町は7日から、住民票や印鑑・戸籍両証明書の申請手続きを大幅に簡略化した。申請書の記入が不要となり、窓口で免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの本人確認書類を提示すると書類の交付を受けられる。コンビニではマイナンバーカードだけで交付されるが、高齢化率44%の町での申請は、月30~40件と全体の1割にも満たないという。

 申請者の代わりに、職員が記載情報を確認し証明交付申請書を作成。申請者は内容を確認して署名すると、交付を受けられる。これまでは申請者が氏名や住所、生年月日を記載する必要があった。

 システム導入費は2070万円。半額を補助する国の「デジタル田園都市国家構想交付金」を使った。年間経費は約290万円。

 町住民福祉課によると、今回対象とする書類だけで、4月の申請件数は約600件に上る。同課は「行政サービスをより良くさせる狙いがある。職員にとっても、申請書の記入を待つ時間がなくなり業務効率化につながる」としている。対象は、税務関係書類の申請や、転出入・転居手続きなどにも順次拡大する。(中島忠道)

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