開いててよかった(5月15日)

 「24時間戦えますか」―。栄養ドリンクのCMソングが、バブル期の流行歌となった。24時間営業のコンビニが昼夜動き回る猛烈社員を支える。国内1号店は50年前のきょう15日、東京都内に開店した▼何でもそろう。いつでも開いている。万能のイメージを確立した業界に異変が起きている。ある通信社が4月に調査したところ、時短営業をしている店舗が主要6社で1割ほどに上った。人手不足や夜間の需要減が要因という。「24時間戦士」は遠い昔。時代の変化に合わせて、やりくりを続けているのだろう▼福島市が「24時間都市構想」を打ち出したのは、バブル終焉[しゅうえん]の頃だ。中心市街地の空洞化が加速していた。当時の元気印の市長は街なかに住宅を供給し、活性化を図る「不夜城」の夢を描いた。30年余の間にマンションは増え、大学教育の場が整えられた。にぎわいは戻ったか。「もっと魅力が欲しい」の声も依然耳にする▼JR福島駅東口の再開発ビルを巡り、市民らの検討会は活用案を提言する。採算に不安を示しつつも、飲食街など12の機能の実現に期待している。「開いててよかった」。コンビニに勝るとも劣らぬ、市民から感謝される施設に―と願いたい。<2024.5・15>

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