指示役「田舎の方、栃木辺りがいい」 那須・夫婦焼損遺体事件 仲介役が遺棄場所伝達か

 栃木県那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、仲介役とされ、殺人容疑で再逮捕された埼玉県越谷市、建設業の男(25)が遺体の遺棄場所について、指示役とされる男から「田舎の方がいい。栃木辺りがいいと言われた」などと供述していることが14日、捜査関係者への取材で分かった。建設業の男から実行役とされる男2人に、遺体を遺棄する場所として伝わったとみられる。

 捜査関係者によると、建設業の男は指示役とみられる住所、職業不詳の男(28)=死体損壊容疑で逮捕=から4月上旬、夫婦の殺害と遺体の処分の依頼を受けたとされ、「首を絞めて殺害するつもりだった」などと供述。建設業の男の指示を受け、実行役とされるいずれも住所、職業不詳の20歳の男2人=同容疑で逮捕=が、建設業の男の車で夫婦の遺体を那須町内に運び、損壊した疑いが持たれている。

 建設業の男は職業不詳の男(28)と遺棄場所について、「田舎の方がいい」「人が通らない所がいい」などと話し合ったとみられ、職業不詳の男(28)が「栃木辺りがいい」と提案したという。

 事件では20歳の男2人が東京都品川区東五反田4丁目の空き家内で、夫婦に暴行した疑いがある。建設業の男は暴行前後の時間帯に20歳の男2人と電話で連絡を取っていたことが判明。一方、20歳の男2人が本県に移動する際は連絡を取っていなかったという。

 逮捕された6容疑者はいずれも本県との関わりは確認されていない。捜査本部は実行役の2人が都内から本県方面へ向かって遺棄場所を探す中、那須町の河川敷に行き着いたとみている。

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