熊本市電が赤信号見落とし 2日にも同様ミス 市交通局「弁解の余地ない」

会見で頭を下げる熊本市交通局の職員=14日、熊本市中央区

 熊本市交通局は14日、同市中央区の洗馬橋電停付近で13日、市電の運転士が赤信号の確認を怠って交差点に進入するミスがあったと発表した。市電では、今月2日にも信号見落としによる誤進入が発生している。

 運行管理課によると、13日午前9時32分ごろ、健軍町発上熊本行きの1両編成が、西辛島町電停から洗馬橋電停に向かう際、50代運転士が赤信号を確認せずに新町2丁目交差点に進入した。乗客3人と乗員1人にけがはなかった。赤信号を無視した影響で前方の踏切の遮断機が下りず、電車は5分遅れで出発した。

 運転士はミスに気付かず、交通局がドライブレコーダーで確認した。当時、別の市電の乗客が体調不良を訴えた影響などでダイヤが乱れており、運転士は「遅れを回復しようと焦っていた」と話しているという。

 市電のトラブルは今年に入り5件目。月内に設置する第三者委員会で再発防止策を検証するとともに、当該運転士の再教育と、全運転士に「指さし呼称」など安全手順の確認を徹底する。交通局は「再発防止に取り組む中で同じミスを犯し、弁解の余地はない。市電への信頼を失墜させた」と謝罪した。(石井颯悟)

© 株式会社熊本日日新聞社