「オリンピックに向けても大事な試合」 古江彩佳は米ツアー初の“ホステス”大会

古江彩佳がホステスプロとして出場(撮影:ALBA)

<ミズホ・アメリカズオープン 事前情報◇14日◇リバティ・ナショナルGC(ニュージャージー州)◇6675ヤード・パー72>

今季から古江彩佳の左胸に『MIZUHO』のロゴがつけられている。株式会社みずほフィナンシャルグループのブランドアンバサダーに就任。そして今年で2度目の開催となる「ミズホ・アメリカズオープン」に“ホステスプロ”として戻ってきた。

「去年もすごく楽しめた大会。ミズホさんは日本の企業さんでグローバルに活躍されている。こうやってつながりを持てたことを誇りに思います」。大会の“顔役”として会場の看板には古江の顔が掲載され、LPGAの公式会見にも出席。「スポンサーさんの試合に出るのは日本とあまり変わらないと思う」とホステスプロとしての忙しさは変わりないが、感謝の気持ちを持ちながら開幕までの時間を過ごしている。

初開催だった昨年大会は4位。全米ジュニアゴルフ協会(AJGA)との連携によって、決勝ラウンドではプロ2人とジュニア1人が同組でプレーするのも大きな特徴のひとつ。「(昨年は)アマチュアの子たちと回れたのが一番思い出に残っているかな。(ジュニアとプレーする)唯一の大会で、負けられないし、しっかり頑張らないと」と世界トップランカーのひとりとして子どもたちに見せたい姿もある。

かつて「プレジデンツカップ」やPGAツアーのプレーオフが開催されたリバティ・ナショナルGCは、ニューヨーク市街地からハドソン川を渡ってすぐ。コースからは米国のシンボルこと自由の女神を望み、オフィシャルホテルがマンハッタンに用意されるため選手らは船で“出勤”する。「各地で試合があるなかで、こんなにシティ(街)に近いところは少ない。有名な景色が試合中に見られるのはうれしいし、船で街に行き来できるのも楽しみ」と声を弾ませる。

米ツアーは「JMイーグル・LA選手権」以来、3週ぶりの出場。一時帰国中には日本ツアー「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」に出場して予選落ちに終わった。「アメリカで長く試合をやっていると、ひとつひとつのコースや芝が違ったりして、自分のスイングが変わって(日本に)帰ってくる。そのクセが悪い方にいってしまうのを元に戻せました」とコーチでもある父とのスイング調整もばっちりだ。

そして、米国に着いた日曜日には、「本当は練習できたらと思ったけれど雨で寒かったので風邪をひいても悪いかなと。試合の感覚にはならないけれど、ぴりついた雰囲気を味わっておこう」と同週に開催されていた「コグニザント・ファウンダーズカップ」に“ギャラリー”として訪れた。心技体をそろえている。

オープンウィークを挟んで行われる「全米女子オープン」の“前哨戦”にも位置づけられ、さらにパリ五輪の出場権争いもいよいよ佳境に入る。現在は日本勢3番手。「オリンピックに向けても大事な試合。4日間戦えるように、1位を目指して。いい緊張だと思って頑張りたい」。ホステス大会での2年ぶりツアー2勝目へ、気合十分だ。(文・笠井あかり)

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