理想を求め、模索が続く稲見萌寧「やってみないと分からない」

米国生活も楽しめている(撮影/石井操)

◇米国女子◇みずほアメリカズ・オープン 事前(14日)◇リバティーナショナルGC (ニュージャージー州)◇6677yd(パー72)

前週「コグニザント ファウンダーズカップ」に続きニュージャージー州の連戦に臨むルーキー稲見萌寧が驚いた。

両側に木が並び立った前週のアッパーモントクレアCCから、見渡しが良いリバティーナショナルGCは、まるで林間コースからシーサイドコースのようだった。上空を舞うように吹く風も今週は「一定で重い。芝は全然違うし、同じ州なのによくこんな違うコースになる」と新鮮な刺激を受けた。

今季は1月「ドライブオン選手権」で8位に入ったのが最高位。毎週新しいコースと戦う日々は決して簡単ではないが、4月メジャー初戦「シェブロン選手権」でも予選通過するなど実績は積み重ねてきた。

技術力アップの向上心はすごい(撮影/石井操)

しかし、直近2試合は予選落ちが続き、模索している様子。5月第1週のオープンウィークには米国に残ってスイングを大きく見直した。

「コーチをつけて誰かに習っているわけではないけど、普通にアドバイスを」と前置きしたうえで、日本と米国の芝質の違いに対応しようと英語が得意でなくてもアメリカ人のコーチに見てもらうなど積極的に動いてきた。

予選落ちした前週の初日は、慣れ親しんだフェードボールを封印して「ちょっとドローっぽい球」に変えたのもあって「77」をたたいた。2日目はすぐにフェードに戻して「73」にまとめたものの、会場を去る結果に。しかし、「やってみないと分からなかった」と価値のある取り組みだったと振り返る。

自由の女神を初めて見た感想は「思っていたより小さい」(撮影/石井操)

また、前週に順手から逆手にしたパッティングの打ち方は今週も変えずに臨むつもり。「いまはそっちの方がしっくり来ている。試合でやって、できなきゃ意味がない。試合やりながらじゃないと良くならない」のが“持論”だ。考え込む時間が長いほど苦しい時間にはなる。

ショットは長年続けてきたフェード球のまま、どうやったらより良いショットを打てるのかを探していく。「耐えながら、ここで成績をなるべく出していかなきゃいけない。“なるはや”でうまく調整できたら」と言い切った。

まずは賞金とポイントを稼ぐためにも予選通過を目指す。「『コースが』っていうよりは、もう自分の状態。ミスの幅が結構大きいので、もうちょっとちゃんと狙ったところに打っていきたい」と調整に力を注ぐ。(ニュージャージー州ジャージーシティ/石井操)

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