北上市検討の4年制大学、基本構想策定着手へ 開学30年度にも

 岩手県北上市は本年度、4年制大学の設置可否の判断に向け、理念や学科構成、規模を盛り込んだ基本構想の策定に着手する。2023年度に実施した基本調査では、工学を学べる1学部1学科の市立大学を中心部に設けることで80~120人の入学者を見込み、採算が取れるとの結果が示された。中心部の再開発と合わせて設置場所を検討する方向で、早ければ30年度の開学を想定する。

 市は21年度から大学設置に関する調査を開始。若年層の流出や、半導体、自動車などものづくり産業を中心とした企業集積に伴う人材不足の課題解決に向け、22年度に企業向け調査、23年度に県内の全高校2年生(回答率40.6%)と、保護者や進路指導の教員対象のアンケートを実施した。

 進学希望が最も多い分野は3者とも工学系となり、設置主体は生徒、保護者とも経済的な負担の少ない国公立が7割を超えた。県内志向も強く、生徒の63.6%、保護者の80.8%が北上市内の大学進学を前向きに捉えた。

© 株式会社岩手日報社