小中学生の子供から「医療脱毛したい」と言われたら…親はどうするべき?

親子でのカウンセリングが必要(C)日刊ゲンダイ

子供から「脱毛したい」と言われたことがある小学生の母親は6割、中学生の母親は7割以上──。医療脱毛専門院「リゼクリニック」が今年1月に行った調査結果だ。

高校生や大学生ならまだしも、小中学生の子供に「脱毛したい」、それも「医療脱毛したい」と言われたら戸惑う親もいるだろう。

実際、中学生の子供にそう言われた東京都在住の40代女性は、「自分も大学に入学した時点で医療脱毛をスタートしたので、子供の気持ちはよく分かるし、お金は出してあげたい。ただ、中学生で医療脱毛に通うのは早過ぎないかと悩みます」と話す。

思春期の子供たちの間では、ムダ毛がいじめのきっかけになることもある。頭ごなしにダメと言うことは避けたい。ベターな判断をするために、親として何を押さえておくべきか?

「最も重要なのは、お子さん本人に脱毛をしたいという強い意志があるかどうか」と、「リゼクリニック」理事長の赤塚正洋医師は強調する。

医療脱毛は程度の差はあれ、痛みを伴う。正常な反応として、施術後は赤みやひりつきが生じる。時には毛穴に雑菌が入り込み、毛嚢炎が起こることも。

また日焼けした肌は、施術時の痛みを感じやすくなり、術後はデリケートになっているため肌トラブルが起こりやすい。それゆえに施術前後は紫外線対策が欠かせない。肌を清潔に保つことも大切だ。これらの注意事項を子供が理解し、授業、試験、学校行事をこなしながら守れるか。

「男子10~13歳、女子8~12歳ごろの2次性徴前後はホルモンの関係で発毛が盛んで、施術回数が多くなったり脱毛完了後にまた生えてくる可能性もあります。それもきちんと理解しているか」(赤塚正洋医師)

2次性徴を過ぎ、ホルモンバランスが落ち着くと体毛は自然と薄くなることがある。子供によっては「今は自己処理でもいいかも」となるかもしれない。ただし、その場合は親が安全で適切な処理方法を子供に伝えることが大前提だ。

赤塚医師が「子供の意思」を強調するのは、誤った認識を招きかねないうたい文句を掲げる医療機関や脱毛サロンがあるからだ。「子供脱毛」や「3歳から脱毛可能」といったフレーズを見かけたり耳にしたことがないだろうか。「(体毛がない)ツルツルお肌がいいですよ」と思わせるSNS投稿も少なくない。

■運動会など学校行事との調整が不可欠

「当院の場合、14歳から医療脱毛の受け入れを行っています。お子さんが体毛で本当に悩んでいるなら、脱毛を検討するのはありだと思います。しかし『子供も脱毛することが当たり前』『脱毛は早い方がいい』という考えが普及するのは望ましくない」(赤塚正洋医師)

「私も悩んでいたから、あなたも悩んでいるわよね」「体毛、気になるでしょ」と親に言われ、子供が医療脱毛を選択するケースもあるという。

不用意な発言をしていないだろうか。

親子の話し合いを踏まえた上で、それでも子供が医療脱毛を希望するなら、まずは親子一緒に無料カウンセリングへ行き、次の点を確認したい。

①子供の意思を尊重して施術を行っている医療機関か

②施術方法、効果の出方、皮膚トラブルについて、子供が理解できる言葉で詳しく説明をしてくれるか

③前述の通り、紫外線対策は不可欠。プールの授業や運動会、遠足など屋外行事を控えている時は医療脱毛は適さない。スケジュールを組み立てる上で、学校行事の予定をチェックし、配慮してくれるか

④コミュニケーションが、痛みに対する恐怖心を和らげる。子供が臆せずコミュニケーションを取りやすいか

子供の意思が定まっていない状況での脱毛は心身の負担を招くリスクがある。くれぐれも慎重に。

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