体調崩す「香害」理解を 柔軟剤など 長崎県庁でセミナー

「香害」について理解を深めたセミナー=県庁

 柔軟剤や洗剤などの人工的な香りで体調不良を引き起こす「香害(こうがい)」に関するセミナーが11日、長崎県庁であった。無添加せっけんの製造を手がけるシャボン玉石けん(北九州市)の松永康志取締役は、「香りに悩んでいる人がいるという事実を多くの人に認識してほしい」と呼びかけた。
 香害は柔軟剤などの香りに含まれる化学物質により起きる。頭痛や吐き気、呼吸困難などさまざまな症状が出る化学物質過敏症の原因の一つとされる。
 セミナーでは、洗剤のほか農薬や排ガス、化粧品など日常生活の中にさまざまな化学物質があり、誰でも同過敏症となり得ると説明。職場の同僚の服に付いた香りで体調不良に悩まされ退職した人や、学校に通えなくなる子どもがいることも紹介された。
 松永取締役は公共の場では香りに配慮が必要と強調し、国も啓発に努めているとした。「お気に入りの香りでも、他人から悪臭と感じられる場合があることを認識する必要がある。柔軟剤などの使用を責めるのではなく、認識を広めることで使い方の改善などにつなげられれば」と述べた。
 セミナーは一般社団法人長崎ウーマンズ・ウォークラリー(竹中晴美代表理事)が初めて開催。約50人が参加した。

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