水曜日のカンパネラやタイのH3Fなど8組集結「INSPIRATION OKINAWA 2024」沖縄でアジアの音楽シーンをつなぐbr /

 

ミュージックタウン音市場のプロデューサー・野田隆司さん=4月11日、沖縄市内

 水曜日のカンパネラ、GANG PARADE、SugLawd Familiarなど、国内外の実力派アーティスト8組をジャンル問わず集めたインターナショナル・フェス「INSPIRATION OKINAWA 2024」が5月26日、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催される。コザから新しい音楽・カルチャーを発信することをコンセプトにしたこのイベントでは、タイや香港からもアーティストが集結。沖縄、日本、アジアの音楽シーンの懸け橋となる。(文・写真=ライター長濱良起)

音市場・野田プロデューサーが語る交流の意義

 国境を超えた音楽の交流は、観客にとって新しい刺激や発見となり、出演者にとっても大きなきっかけとなる。仕掛け人の一人でミュージックタウン音市場のプロデューサー・野田隆司さんに、開催への思いを聞いた。

■「INSPIRATION OKINAWA 2024」出演者
水曜日のカンパネラ、GANG PARADE、Age Factory、H3F(タイ)、角舘健悟(Yogee New Waves)、HOME、SugLawd Familiar、Kendy Suen(香港・オープニングアクト)
MC:ありんくりん

 

 ー「INSPIRATION OKINAWA 2024」のコンセプトを教えてください。

 バンコクや香港などアジアの都市では、インターナショナル・フェスが数多く開催されています。今では出演者のラインアップに海外のバンドを加えることは、インディーズシーンでも珍しくはありません。コロナ禍が収束して、海外の行く先々で、素晴らしいアーティストと出会いました。そうした人たちを紹介する機会を設けたいという気持ちが、多少なりとも「INSPIRATION OKINAWA」につながっていると思います。

 ーお客さんだけではなく、出演する側にも刺激がありそうですね。

 アーティストにとって、自国以外でライブをやることには、さまざまなハードルがあります。しかし実現できれば得られるものはとても大きいと思います。現地のお客さんの直接的な反応を感じられますし、他の出演バンドとの交流もできる。そうしたつながりが、次の活動につながるきっかけになると思います。

コザから世界 広がる機会

 ーコザで開催する意義をどのように感じていますか?

 1月には沖縄市内のライブハウスでサーキット型の国際ショーケース「Music  Lane Festival Okinawa」を行いました。アジアの各都市を中心に各国から50人近い音楽関係者が集まり、アーティストとのマッチングやネットワーキングを行いました。そうした人たちから、コザの街の雰囲気はとても好評です。明らかに他の日本の街とは様子が違います。週末の夜、通りには音楽があふれていて、街を歩く人も多様で、居心地よく感じる人が多いようです。

 これまで、音楽や芸能など、多様なチャンプルー文化がコザから発信されてきたという歴史的な背景もあります。そういった場所だからこそ、新たな音楽や文化が生まれる可能性はとても大きいと思います。「INSPIRATION OKINAWA」というインターナショナル・フェスを行う意義はとても大きいのではないでしょうか。

 ※ショーケース 主に音楽関係者に向けたプロモーションを目的としたライブ・コンサート

 

 ー「沖縄とアジアのエンタメ」にどのような役割を果たしていきたいですか?

 沖縄から国内外問わず、新しいアーティストが活躍できる場につないでいくことができればと思います。「INSPIRATION OKINAWA」については、先々のことは全く分かりませんが、多少はコマーシャルな形のフェスとして成立できればと思います。合わせて「Music Lane Festival」というショーケース・フェスの出口、受け皿の一つにするということも大切な役割です。自分の中では両者は結びついているんです。

 「Music Lane Festival」をきっかけに、海外のフェスに招かれるアーティストは増えています。今年、モンゴルの「PLAYTIME FESTIVAL」には、GOONAM(韓国)、YUKINO INAMINE & HARIKUYAMAKU DUB(沖縄)、strawman & celine(イタリア+モンゴル)、HOME(沖縄)、DARTHREIDER & THE BASSONS(日本)の5組のアーティストが選ばれて出演します。沖縄のバンドだけでなく、本土や海外のバンドも、コザでの出会いをきっかけに、チャンスを得ています。こうした機会を広げていきたいと思います。そのためには、自分自身も今のままでは駄目で、常に成長と変化が必要だと感じています。

サブスクの時代 「国内・国外分ける必要ない」

 ー日本のミュージシャンも海外マーケットを志向することで可能性が広がりますね。

 CD中心の時代、海外で流通させることはとても難しかったと思います。同様に海外でライブを行うことにもハードルがありました。今、音源はサブスクで世界中どこにいても同時に聴けるので、ミュージシャンの活動の場として「国内」「国外」と分ける必要はありません。日本のマーケットだけに限定するのはナンセンスで、常に海外のマーケットを意識した方がいいと考えています。どんなささいなきっかけで火がつくのか分からない時代ですから。

 ー最後に「INSPIRATION OKINAWA 2024」への呼びかけをお願いします。

 「INSPIRATION OKINAWA」、初めての試みなので、出たとこ勝負な部分もあるのですが、出演者の音楽ジャンルはバラエティーに富んでいますし、音楽的なクオリティーはそれぞれすごく高いです。一人でも多くの人に、新しい音楽に出会って楽しい時間を過ごしてもらえたらと思います。

 

■インフォメーション
「INSPIRATION OKINAWA 2024」
主催:ミュージックタウン音市場/共催:Live House Output
日程:2024年5月26日(日)
会場:ミュージックタウン音市場3Fホール(沖縄市上地1-1-1 3F)
時間:開場15:30 開演16:30
料金:オールスタンディング
   一般前売り4800円 当日5500円(入場整理番号付き)
   沖縄市民割引3000円(前売りのみ・限定枚数の販売・入場時IDチェックあり)
※要1ドリンクオーダー(500円)
※未就学児、入場不可
公式HP:https://www.inspirationokinawa.com/

 

 

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