ソニーG株が急騰し11%高、好業績や資本政策を好感 財務懸念一巡も

[東京 15日 ロイター] - 15日の株式市場でソニーグループが急騰している。同社は14日、2025年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比5.5%増の1兆2750億円になりそうだと発表し、手掛かりになっている。株価は一時11%超高の1万3365円に上昇した。

会社側の営業利益予想はIBESがまとめたアナリスト23人のコンセンサス予想1兆3350億円に届かなかった。一方、9月30日時点の株主に1対5の株式分割を実施することや、3000万株(発行済み株式の2.46%)、総額2500億円を上限とする自社株取得枠の設定を発表したことも買いを誘っている。

業績面では、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の販売台数が1800万台程度と、前期実績から減少する見通しだが「台あたりの赤字が減り増益要因」(東洋証券の安田秀樹シニアアナリスト)との見方が出ている。オンラインゲームのヒット作からの収益も業績に貢献しそうだという。

<目先の財務懸念後退も>

先立って、米プライベートエクイティ(PE)企業と共同で米メディア大手パラマウント・グローバルに買収提案しているとの観測報道があり、巨額買収による財務悪化への懸念からこのところの株価は軟調だった。前日の決算では「(買収観測に関して)明言がなく、これまで以上には織り込めない」(安田氏)といい、財務悪化懸念がひとまず一巡することで買い戻す動きもあるとみられる。

ソニーのパラマウント買収の観測を巡っては、米CNBCが14日、関係筋の情報として、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが買収計画を再考していると報じた。パラマウント全体の買収を提案する可能性は「やや薄れつつある」という。

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