”死産した赤ちゃんをごみ箱に”死体遺棄罪で起訴された20歳の技能実習生「まったく事実と違います」起訴内容を否認

交際相手の家のごみ箱に死産した赤ちゃんの遺体を遺棄したとされるベトナム国籍の技能実習生の女の初公判が開かれ、女は起訴内容を否認し無罪を主張しました。

福岡地裁で初公判

起訴状によりますと、ベトナム国籍の技能実習生グエン・テイ・グエット被告(20)は、今年2月、福岡市にある交際相手の家で出産した男の赤ちゃんの遺体をビニール袋に入れ、ごみ箱に遺棄したとされています。

司法解剖の結果、男の赤ちゃんは死産でした。

14日福岡地裁で開かれた初公判でグエット被告は、「まったく違います。遺棄していません、無罪です」と起訴内容を否認しました。

冒頭陳述で検察側は「死産した男児をごみと一緒に処分しようとごみ箱に捨てた」と主張しました。

一方、弁護側は「投棄したという事実を争う。死体遺棄については無罪」と主張しています。

支援者が報告集会

初公判終了後に開かれた報告集会でグエン・テイ・グエット被告の弁護人・池上遊弁護士は、「検察側がごみと一緒に捨てようとしたと表現したことに大変な憤りを感じる。死体遺棄として有罪にし処罰することが本当にいいことなのか、社会全体として考えなければいけないのではないか」と述べました。

死産した子の扱い 2023年最高裁の判断

技能実習生をめぐっては、2020年、ベトナム人技能実習生(当時24歳)が、死産した双子の遺体を段ボール箱にいれるなどして遺棄したとして死体遺棄罪に問われました。1審2審とも有罪判決を言い渡しましたが、2023年3月、最高裁判所は1審2審判決を破棄し、無罪を言い渡しました。

© RKB毎日放送株式会社