波佐見にキャンプ場がオープン! 地元有志が耕作放棄地を再生 美しい星空や雲海も 長崎

耕作放棄地をキャンプ場に再生した(左から)太田さん、岳村さん、柿本さん=波佐見町、野々川グランビューパーク

 長崎県東彼波佐見町野々川郷にキャンプ場「野々川グランビューパーク」が11日、オープンした。地元の住民が、10年以上手付かずとなっていた耕作放棄地の茶畑や水田をキャンプ場に再生した。標高約280メートルにあり、見張らしの良さが自慢だ。
 野々川郷は県境の神六山(じんろくざん)(447メートル)中腹にある農業集落。約200人の住民は半数が60歳以上。人口は60年前と比べ半減した。
 住民で製茶業の太田久さん(62)と幼なじみの岳村英之さん(63)、柿本茂喜さん(63)が昨年2月、キャンプ場の運営会社を設立。太田さんは「交流人口の拡大で集落を活気づけたい」と話す。
 キャンプ場はため池「吉(よし)ノ頭(とう)堤」を取り巻く約83アール。耕作放棄地を借り受け、重機を使ってテントを張る場所や農場に再生した。ブルーベリーやタマネギなど農作物の収穫体験もできるように整備する。

溜め池の周囲に整備されたキャンプ場

 ログハウス風の管理棟などは建築士の柿本さんが設計、地元の大工と一緒に建てた。星空が美しく、春と秋には波佐見盆地を覆う雲海を見られる可能性もあるという。
 太田さんは「集落の自然や人情、伝統芸能『野々川浮立』などに触れてもらい、移住やUターンしたくなる集落にしたい」と期待を込めた。
 料金はテント1張り1500円から。問い合わせは野々川グランビューパーク(電070.9020.5511)。

© 株式会社長崎新聞社