トランプ氏不倫口止め裁判で元腹心証言、弁護団は信頼性ないと攻撃

Jack Queen Jody Godoy Joseph Ax

[ニューヨーク 14日 ロイター] - トランプ前米大統領の不倫口止め疑惑に絡む事件の公判で14日、同氏の顧問弁護士だった元腹心のマイケル・コーエン氏(57)が出廷し、トランプ氏の弁護団から厳しい質問を受けた。

コーエン氏はトランプ氏の顧問弁護士を10年以上務めたことがあり、最重要証人。

トランプ氏は大統領選があった2016年、過去の性的関係についてポルノ女優のストーミー・ダニエルズさんに口止め料を支払うようコーエン氏に命じたと同氏は証言。トランプ氏はその後、虚偽の書類を介してコーエン氏に口止め料を弁済する計画を承諾したと同氏は述べた。

コーエン氏によると、司法省が口止め料を巡る捜査を開始した後の18年、連邦捜査局(FBI)が同氏の家宅捜索を行ったため、同氏はあわててトランプ氏に電話した。トランプ氏は「心配するな。私は大統領だ」と述べ、トランプ氏と直接話をしたのはこれが最後だという。

その後トランプ氏はソーシャルメディアでコーエン氏を擁護するなど、同氏をつなぎとめるために一連の「プレッシャー」をかけてきたが、同氏は最終的に家族と相談して捜査に協力することに決めたと同氏は証言した。

一方、トランプ氏の弁護団は、コーエン氏が過去に複数の罪で服役したことや、虚偽の証言を行ったことなど、波瀾万丈の経歴を挙げて同氏の証言は信頼できないと強調。崇拝していたトランプ氏を罵倒するようになった「裏切り者」ぶりや、トランプ氏に関する回顧録やポッドキャストで数百万ドルを稼いだ点も指摘し、コーエン氏の狙いはカネと復讐にあると論じた。

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