「日本一美しい日の出の町」へ 福島県広野町・高倉山展望台リニューアル

整備工事が進む展望台

 「日本一美しい日の出の町」を掲げる福島県広野町は市街地にそびえる標高122.5メートルの高倉山の展望台をリニューアルする。6月末に整備を終え、7月上旬にも披露する予定。海岸から近い優れた景観を堪能できる場として活用し、交流人口の増加につなげる。

 展望台は約30年前に設置した。老朽化や景観を生かした地域振興に向けて再整備している。15世紀後半から16世紀前半ごろに岩城氏支配下の猪狩氏の居城だったとされる山城跡で、山中に多様な史跡が点在する。中心市街地からの距離の短さから地元小学生の校外学習の場所などとして古くから町民に愛されてきた。遊歩道は往復で約40分という手軽さから町外の登山者も訪れているという。

 展望台からは太平洋と町並みを一望できる。町が舞台とされる唱歌「汽車」の歌詞「トンネルの闇を通って広野原」の一節をなぞるように、眼下を走るJR常磐線の列車がトンネルを抜けて、のどかな町並みを進む風景が広がる。

 町は町内の五社山や「みかんの丘」と合わせて眺望や山歩きを楽しむ場所として新たなパンフレットや町魅力発信サイトで楽しみ方を紹介している。鉄道ファンをはじめ、写真撮影スポットなどとしての魅力を創出し、観光振興から交流・関係人口拡大を目指す。

 高倉山の遊歩道は展望台の整備工事に伴い、現在は利用を休止している。

© 株式会社福島民報社