福島県南会津の民家で強盗 60代女性就寝中、手首縛る 栃木、長野、群馬3県の事件と類似

 14日午前1時5分ごろ、福島県南会津町藤生字馬寄ノ上の住宅に住む60代女性から強盗に遭ったと110番があった。南会津署によると、複数の男が押し入り、女性の手首を縛り、現金1万数千円などを奪い逃走した。女性は手首などに軽傷を負い、同署は強盗致傷容疑事件として男らの行方を追っている。栃木、長野、群馬3県の山間部の一軒家で4月末以降、同様の手口による強盗事件が相次いでおり、県警は同一犯による広域強盗の可能性があるとみて関連を調べている。福島県を加えた4県合同捜査も視野に入れている。

 同署や県警本部捜査1課によると、現場は山あいの一軒家で女性は1人暮らし。就寝中、侵入してきた男らに押さえ付けられ、手首などを粘着テープで縛られた。布のようなもので視界をふさがれた後、「カネ、カネ、カネ」と片言の日本語で脅された。男らが逃走した後、女性は自力でテープをほどき、財布を確認したところ、1万数千円が盗まれていた。その後、約600メートル離れた親戚宅に駆け込んで助けを求めたという。

 関係者によると、女性は戸締まりをしていたと話しているが、女性宅の窓ガラスが割られている形跡があったという。県警は容疑者が侵入した手口や経路、逃走した手段や経路などを詳しく調べている。

 栃木、長野、群馬の各県警によると、各県の強盗事件はいずれも山間部の一軒家で発生した。深夜から未明にかけ男2人組が押し入り、被害者を緊縛するなど、南会津町の事件と共通点が多い。

 現場は会津鉄道会津田島駅から南西に約9キロ、会津荒海駅から西に約1キロの山間部。福島県と栃木県を結ぶ国道121号が近くにあり、周辺には田園が広がり家屋が点在している。女性宅から最も近い民家は約300メートル離れている。周囲に街灯はほとんどなく、夜間の人通りはほぼない。

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