五輪代表決定まで残り1カ月 中島啓太が今季初メジャーでつけたいパリへの道筋「出たい気持ちはすごい強い」

パリ五輪代表決定まで残り1カ月。中島啓太はこのメジャー大会でダメ押しをはかれるか?(撮影:GettyImages)

<全米プロゴルフ選手権 事前情報◇14日◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609ヤード・パー71>

初めての全米プロを戦う中島啓太は、午前中にコース入りし練習ラウンドで感触を確かめた。「ほんとうに難しいです。距離も長いし、きょう降った雨でさらに長く感じるとも思う。難しい」。メジャーセッティングとあって、一筋縄ではいかない部分を感じ取っている。

ここバルハラGCで全米プロが行われるのは4度目。タイガー・ウッズ(米国)が優勝した2000年は中島が生まれた年とあって、「ほんとうにわからないです」というのは不思議ではない。ただ14年にローリー・マキロイ(北アイルランド)が制した大会については、「14歳だったから、なんとなく記憶には残ってます」とも。このコースの印象を深めるのは、やはり自分でプレーする今年となる。

昨年、日本ツアー賞金王になったことで得た権利を使い、今季からDPワールド(欧州)ツアーに主戦場を移した。苦労もしながら、3月にはインドで行われた「ヒーローインディアンオープン」で初優勝も果たしている。「勝っていない状態で(メジャー大会に)来るよりは自信を持って挑める。だけど全然違うコースですし、アメリカのメジャーは難しい。しっかり 心の準備をしていきたいと思います」。ここまでに培ったものを発揮する舞台でもある。

今、目標に掲げるのは、翌年のPGAツアー出場権が得られるDPワールドツアーのポイントランキング10位までに入ること。これに加え、今夏に行われるパリ五輪出場も大きなターゲットになっている。

「そこを目標にシーズンを始めたので、変えずに最後までやり通したい」。現在の五輪レースで世界ランク78位の中島は、同15位の松山英樹に次いで日本勢2番手につけている。現状では各国上位2人の“代表圏内”にいるが、3番手の久常涼も世界ランク88位に肉薄しており、決して安泰とまでは言えない。男子の代表決定のリミットは6月17日。ポイントを多く稼げるこのメジャー大会には久常も出場しているため、上位フィニッシュでレースを有利に進めたい。

「(五輪は)全然違います。出たい気持ちがすごい強い。日の丸を背負ったユニフォームが着られるし、日本代表のユニフォーム着て戦いたい」。メダルへの思いは強い。今季初のメジャー大会を戦うバルハラGCで、パリへの道筋をよりはっきりしたものにしたい。

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