群馬県内でもオーロラ観測 赤紫色の光が約35分間

富沢さんが撮影した低緯度オーロラとみられる現象=11日午後8時43分、昭和村

 東日本を中心に11日に観測されたオーロラ現象とみられるものが、群馬県でも観測されていたことが分かった。気象庁地磁気観測所(茨城県石岡市)などによると、オーロラ現象は通常、アラスカ(米国)など高緯度の地域で観測されることが多い。今回は太陽の表面で起こる大規模な爆発現象「太陽フレア」が起き、地球の磁気が激しく乱れる「磁気嵐」が発生したため、群馬県を含む低緯度の地域でも観測できたとみられる。

 前橋市岩神町の富沢勝則さん(68)は大規模の太陽フレアの発生を知り、赤城山北面の昭和村でカメラを構えた。同日午後8時10分ごろからオーロラとみられる赤紫色の光を確認し、約35分間楽しめたという。

 富沢さんは元理科教諭。趣味を兼ねて、カメラを手に天文現象を見ようとさまざまな場所に足を運んできた。今回の撮影で「ほとんど出合えることのない瞬間を目の当たりにできた。ロマンを感じた」と話した。

 高崎市の団体職員、岸篤宏さん(52)も同日午後9時ごろ、撮影に成功。同市のプラネタリウムなどを運営する施設で働いており「何十年に一度のチャンスに立ち会えた」と喜んだ。

 同観測所によると、オーロラの発生に影響する地磁気の乱れは11日午前2時5分から始まった。今回の変動幅は記録の残る1924年以降で9番目に大きかったという。群馬県でオーロラが観測された可能性について「断定はできないが、可能性としては考えられる」とした。

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