カズレーザー 「多少バグってる」悪口はびこるSNS…“悪口異常社会”で生き残る方法を学ぶ

カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が14日に放送された。『年間の誹謗中傷コメント1億件超え 悪口異常社会を生き抜く方法』という講義では、昨年8月に発売され話題となった『悪口ってなんだろう』の著者である南山大学人文学部人類文化学科 准教授の和泉悠が出演。悪口とは何か、そして悪口異常社会から自分自身と家族を守る方法について解説した。

和泉氏はまず、そもそも悪口とは何か解説。悪口とは、「人のランクを下げること」と定義し、人間は上下関係のような、序列やランクに敏感であるため、悪口を使うことで単に人を理由なく傷つけるだけでなく、自分より上か下かをランク付けして人によって態度を変えてしまうのだという。

南山大学人文学部人類文化学科 准教授 和泉悠

さらに悪口には伝染する危険性があるとし、周囲が悪口を言っていると、悪口を言うハードルが低くなってしまうのだとか。子どもにも悪影響が及ぶようで、親をよく観察し、日々学習する子供の前で悪口や、自分よりも弱い立場の人に強く当たる姿を見せていると、子どもが社会に出た時、当たり前のようにランク付けしてしまうようになる可能性があるとし、まずは大人が礼儀正しいふるまいを見せるべきだと語った。

そうした悪口の特性を踏まえ、和泉氏が特に問題視しているというのがSNS。何気ない一言が、現実世界とは比にならない数の人々に閲覧されてしまうSNSでは、悪質なコメントがアップされていると、見た人にも伝染するように悪質なコメントの投稿が連鎖していく。そのため現在、AIで自動的に有害なコメントを検出し、投稿しようとする瞬間、ユーザーに再考を促すシステム等が実装されつつあるといい、旧Twitter社が以前行った取り組みを紹介。試験的にシステムを導入したところ、投稿前に悪質なコメントと警告を受けたユーザーのうち、およそ34%が、そのまま投稿することを控えたのだという。

ただ課題はまだあるようで、カズレーザーはSNSの運営事業者、いわゆるプラットフォーマーの、より長くユーザーがSNSを使うほど利益の出る仕組みを指摘。投稿がしやすいなど、より使いやすい仕組みがユーザーを引き留め、結果的に企業の利益につながっていることに言及し、「(ユーザーの関心を惹く)悪口あったほうが儲かりそうなシステムになってる以上は、なかなか本気でなくすって方向には結び付かないのかなっていう気はしますね」と私見を述べた。

和泉氏は、人は集まれば必ずランク付けをするため、「人が3人ぐらいいたら、絶対、ピラミッドができてしまう。なので、人間社会がなくならない限りは、悪口は続いていくと思います」と、改めて強調。

また、悪口かどうかの境界線は、相手のランクを下げるかどうかにあるため、信頼関係の下での発言ならば悪口でないものの、そうでない場合、悪口から身を守る術は、自分も言い返すこと、つまり自分も悪口で対抗し、相手のランクを下げることと話す。一方的に悪口を言われ続ける状況がよくないというが、しかし言い返すというのはなかなか難しいため第三者が介入する重要性を説いた。

カズレーザーは講義を振り返り、「100万人相手にしゃべる経験なんて、もう人類は経験してなかったんで、ここ数十年でそれが急にやれるような世の中になってるから、まあ、多少バグってるんだなーと思いますね。言葉だから真に受けなきゃいいのになと思ったほうが本当は楽なんだと思いますね」と発言。SNSで悪口があふれかえる現代社会への、率直な感想を述べた。

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