「スポーツと数学」でインクルーシブ教育の課題解決へ 日本数学検定協会と日本福祉大学が新研究

日本福祉大学と日本数学検定協会はスポーツと数学をテーマにした共同研究を始めた。障害の有無にかかわらず、すべての子どもを受け入れるインクルーシブ教育の課題解決を図るのが狙いで、誰もが参加可能なスポーツをつくる活動と数学的活動を融合させた学習プログラムの構築、スポーツと数学を基軸とする学習カリキュラムについて検討を進める。

共同研究のスタートに当たり、2024年5月1日、愛知県美浜町の日本福祉大学美浜キャンパスでセレモニーがあり、日本福祉大学スポーツ科学部の藤田紀昭教授と日本数学検定協会の高田忍理事長が研究の方向性などを語った。

高田忍理事長は本研究にあたり「当協会では、さまざまな立場を有する人たちに対する、算数・数学の学習支援に取り組んできました。この取り組みをさらに進めていくには、他分野との連携が必須であると考えています。昨今では、従来のSTEAM教育にSportsの“S”を加えた、STEAMS(スティームス)教育がこれからの時代を生きぬくために必要だといわれています。こうしたことからも、藤田教授が取り組まれている、誰もが参加可能なスポーツを新たにつくる活動と、当協会の学習数学研究所が考える、数学的活動を組み合わせることにより、新たな価値を創造し、子どもたちが時代を生きぬく力を育成することに加え、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンについての課題解決に寄与していきたいと思います」とコメントしている。

インクルーシブ教育の必要性を指摘する声が国内でも上がっているが、障害の程度が重い子どもたちが地域の学校に受け入れてもらえず、特別支援学校への入学を要請されているほか、障害のある児童や生徒に対する教職員の合理的配慮や知識、スキルが不十分であるなど、多くの問題点が残っている。

共同研究では、誰もが参加できるスポーツを作って障害の有無に関係なく、幅広い子どもたちが参加できる環境を設けるなど、インクルーシブ教育の推進に向け、課題解決を進めることにしている。

参考:

【日本福祉大学】公益財団法人日本数学検定協会と共同研究開始セレモニーを執り行いました

© 大学ジャーナルオンライン