4年前に3万4000円だったスニーカーは4万2900円に 記録的円安で輸入古着店は…買い付けも輸送に変更「もどかしい」

歴史的な円安の影響で、様々な商品で物価が高くなっています。コーヒーショップでは、豆の仕入れ価格が2倍に上がるなど、輸入に関わる企業は、頭を悩ませています。

芳醇な香りで、苦みが癖になるコーヒー。毎日欠かせないという人も多いのではないでしょうか。コーヒー豆を直輸入している福島県郡山市の富久栄珈琲では、いま、円安による問題に直面しています。それが「コーヒー豆の価格高騰」です。

日米の金利差などが要因で円安が続いていて、14日正午の外国為替市場の円相場は、1ドル155円70銭台と膠着状態が続いています。

円安に加え ブラジルで生産減、アジアで需要増も…

こちらの店では、南米やアフリカなどからコーヒー豆を輸入していて、1ドル109円台だった3年前と比べ、現在の豆の仕入れ価格は、1.5倍から2倍程度に膨れあがっています。

富久栄珈琲・中島茂社長「少しずつ値上げをさせてていただいています」

全国的に広がるコーヒーの価格の高騰にお客さんからも…。

コーヒーをよく飲む夫婦「高い。買いづらいですよね。安いボトルばかり買っている」

さらに、異常気象の影響で生産地であるブラジルの生産量が減ったことや、中国などアジア圏で需要が増えたことも価格高騰の要因だといいます。

富久栄珈琲・中島茂社長「ドリップパックも値上げしています。包材袋自体の値上げも、この一年で4、5回の値上げしています」

富久栄珈琲では、豆を日本酒で発酵させる世界でも珍しい製法でつくったオリジナル商品を販売し、他店との差別化を図っています。

中島社長「新しい価値を生み出して、負担のない価格でお客さんに提供したい」

一方、輸入古着にも円安の影響が…。

スニーカーは1万円近く値上がり

末永万智アナウンサー「古着のシャツやスニーカーなどを取り扱っているこちらのお店では、ほとんどの商品をアメリカから仕入れているということです」

福島市にある輸入古着などを扱うお店。「安くて買いやすい」というイメージだった古着が、円安の影響で気軽には買えないものになってきているといいます。

TRUNK23・岩井一人さん「前は安くて何点かまとめて買っていく方がいたんですけど、価格が上がると吟味して1点だったり、手に取る数が減っている気がします」

例えばこちらのスニーカー。4年ほど前には3万4000円だったものが、今では4万2900円と、9000円ほど値上がりしています。他にも古着のシャツなど、ほとんどすべての商品が1.5倍ほど値上がりしているということです。

以前はアメリカに直接仕入れに行っていた岩井さん。渡航費が高いため、商品を輸送で仕入れる方法に変えました。

岩井さん「経費を商品(の値段)に乗せないといけなくなってくるので。自分で商品を選びたいっていうのは本音であるので、もどかしい気持ちはありますけど」

大きな影響を与えている「円安」。それでも、店では価格が上がりすぎないよう少しでも安い時期にまとめて大量に仕入れるなど試行錯誤をしながらの経営を続けています。

岩井さん「ネット環境での販売だったり、そういうところに力を入れて、ちょっとでも右肩上がりにできるようにしています」

このまま急激な円安が進むと、さらに私たちの生活にも影響が出てきます。円安はいつまで続くのか、いまも見通せていません。



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