トランプ氏は「チートまみれの漫画の悪役」 元顧問弁護士が発言認める

不満タラタラのトランプ氏(ロイター)

トランプ前米大統領(77)が元不倫相手に口止め料を支払ったことを隠すため業務記録に虚偽記載をした罪に問われている裁判で、検察側の最重要証人でトランプ被告の元顧問弁護士マイケル・コーエン氏(57)が14日、ニューヨーク州地裁に出廷し、「独裁者の愚か者」であり「チートまみれの漫画の悪役」であると非難したことを認めた。米紙ニューヨーク・ポストが14日、報じた。

コーエン氏はトランプ被告の顧問弁護士時代、当時のトランプ氏の不倫相手ストーミー・ダニエルズ氏への口止め料13万ドル(約2000万円)の支払いをめぐり、2018年に税法違反や詐欺、選挙資金法違反など八つの重罪について有罪を認め、禁固3年の実刑判決を受け服役した。

検察側にとってコーエン氏は最重要証人だ。13、14日に連続出廷し、不倫発覚を恐れたトランプ氏から口止めを指示された詳細を話している。

弁護側はコーエン氏に「ポッドキャストでトランプを『下品な漫画の女性蔑視者』とか『チートまみれの漫画の悪役』とか言いましたか?」と質問した。

コーエン氏は「まるで私が言いそうなことだ」として、自らのポッドキャスト番組で、トランプ被告を「独裁者の愚か者」であり「おりの中にいる」「チートにまみれた漫画の悪役」と非難したことを認めた。

この弁護側の質問は、コーエン氏の証言の信頼性に狙いを定めたもの。かつてコーエン氏は熱狂的なトランプ信者だったが、2018年に有罪となってから敵視するようになった。コーエン氏の証言にはウソや敵意などが入り交じっていると陪審員に思い込ませるための質問だった。

トランプ氏はこの日、裁判所の廊下で記者団に対し、「私が選挙活動をせずに5週間もここにいたなんて信じられるか。これは明らかな選挙介入だ」と主張した。

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