スパコン「富岳」世界ランキング2部門で9期連続1位

スーパーコンピュータ「富岳」

富士通は2024年5月13日、スーパーコンピュータ「富岳」が世界のスーパーコンピュータに関するランキングの「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」および「Graph500」での9期連続世界第1位獲得を発表した。「TOP500」「HPL-MxP」はともに第4位。

これらのランキングは、現在ドイツ ハンブルクのコングレス・センター・ハンブルクおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「ISC High Performance 2024」において、2024年5月13日(日本時間5月13日)に発表された。

「富岳」は、理化学研究所と富士通が共同開発し、2020年4月に試行的利用を、また2021年3月に共用(本格稼働)を開始。ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくり、基礎科学、社会経済などの幅広い分野において、社会実装レベルでさまざまな成果を創出し続けている。

富士通は、「富岳」を実現した優れたテクノロジーをもとに、高性能、省電力に加え、信頼性と使いやすさを実現するArmアーキテクチャのCPU「FUJITSU-MONAKA」の開発を進めている。

また、同社も参画した共同研究において「富岳」で学習し公開した大規模言語モデル「Fugaku-LLM」は、日本語能力に優れ、独自のデータで学習した安全性・透明性を確保したモデルであり、次世代の革新的な研究およびビジネスでの利用が期待されているという。同社は「Fugaku-LLM」を、同社の先端技術を無償で試せる「Fujitsu Research Portal」を通じて提供開始している。

同社は今後も、「富岳」で培ってきた技術をさらに高度化するとともに、「富岳」の活用にも貢献していくとしている。

中川和佳

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