豪賃金、第1四半期は予想下回る+0.8% 22年終盤以来の低水準

Wayne Cole

[シドニー 15日 ロイター] - オーストラリア統計局が15日発表した第1・四半期の賃金価格指数(WPI)は前期比0.8%上昇し、伸びは市場予想の0.9%を下回り、2022年終盤以来の低水準となった。

前年比伸び率は4.2%から4.1%に鈍化し、予想を下回った。民間部門の伸びも4.1%に鈍化し、20年第3・四半期以来の低下となった。

公的部門の第1・四半期賃金上昇率は0.5%と小幅で、前年比では4.3%から3.8%に縮小した。

キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋経済担当責任者マルセル・ティエリアント氏は「求人数が減少し、労働市場が緩んでいることから、雇用主は今後数カ月間、賃上げ幅を縮小すると見込まれる」と指摘。豪中央銀行が追加利上げを行わないことも確実としつつ、金融緩和については来年第1・四半期まで待つとの見通しを示した。

ゴールドマン・サックスのエコノミスト、アンドリュー・ボーク氏は、11月の豪利下げ開始見通しを維持したものの、サービスインフレが高止まりしているとして、来年にずれ込むリスクがあると指摘している。

市場では、25年4月までに利下げが行われる可能性はほとんどないと見込まれており、年内にもう1回利上げが行われる確率は8%程度となっている。

© ロイター