福井南北分断の交通難所、解消へ道筋ついた 自然災害にもろい国道2カ所、事業化と調査開始

大雨で損壊した福井県―滋賀県境の国道365号の路肩=2022年8月、福井県南越前町板取(福井県提供)

 国土交通省の本年度予算の公共事業費配分(箇所付け)で、福井県内では南越前町大谷―敦賀市元比田の国道8号バイパス「大谷防災」(延長5.1キロ)の事業化と、同町と滋賀県長浜市を結ぶ国道365号バイパス「栃ノ木峠道路」(2.8キロ)の調査開始が決まった。両区間は大雨や大雪の際に通行止めが頻発、南北の交通分断を引き起こす原因の一つとなっており、福井県が早期の対策を国に要望していた。完成時期は未定ながら課題解消への道筋がつき、物流関係者からも早期整備の期待が高まっている。

 2022年8月の大雨では両区間と北陸自動車道今庄インターチェンジ(IC)―敦賀IC間が上下線とも通行止めとなり、嶺北と嶺南を結ぶ交通網が寸断。今年1月や昨年1月の大雪でも同様の状況となり、自然災害に対するもろさが繰り返し露呈している。県は北陸と関西、中京間の人流・物流網の重要性を考慮し、交通インフラのリダンダンシー(多重化)が不可欠として、両区間のバイパスの整備を訴えてきた。

 国道8号の大谷防災の事業化区間は、国直轄事業として整備する。雪や雨の影響を減らすため大部分がトンネルとなる見込みで、緩やかにカーブする直線に近い形状とする。本年度は調査設計費として5千万円が配分された。総事業費は375億円を見込む。

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