不適切事務を検証 小山・琵琶塚古墳整備事業問題 市が結果報告

小山市役所

 小山市が文化庁の現状変更許可を受けず国指定史跡・琵琶塚古墳整備事業に着手していた問題で、市は14日の市議会議員説明会で不適切事務の検証結果を明らかにした。事業再開に向けて市は、地元整備委員会などと合意形成を図る必要があるとし、国への許可申請・審査までには少なくとも数カ月かかる見通し。

 市は現状変更申請を怠った原因について(1)担当者の心身不調(2)属人的な業務遂行・情報共有不足(3)慢性的な業務過多(4)県への依存的体質(5)法令等調査・確認の不徹底-を挙げ、これらが複合的に作用したと結論づけた。再発防止策として、職員体制・人員の拡充、情報共有、法令順守の徹底を図り、「市全体として強い危機意識の下、取り組みを継続する」とした。

 実施設計と異なる工法への変更は「法令違反ではないが、行政の意思決定過程として問題」と判断。事業再開へ向け、重機の荷重が古墳に及ぼす影響を検証して整備委員会などの理解を得るほか、のり面保護対策に計500万円の補正予算を計上する方針を示した。

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