QBカズンズ、ドラフトプランを知っていたらファルコンズと契約したかの問に「仮説的な話はしない」

カーク・カズンズ【AP Photo/Matt Ludtke】

今週、アトランタ・ファルコンズがオフシーズンの活動に取り組む中で、クオーターバック(QB)カーク・カズンズはチームがドラフト全体8位でQBマイケル・ペニックスJr.を指名し、カズンズ自身の潜在的な後継者としたことによる何かしらの気まずさを、少しでも和らげようと最善を尽くしている。

そんな中、カズンズは1つの疑問を完全に払拭できないようだ。それは、もしファルコンズが2024年NFLドラフト1巡目でクオーターバックを指名すると知っていたら、ファルコンズと契約していただろうか、という疑問だ。

カズンズは現地14日(火)に記者団に対して、次のように語った。

「俺は仮説的な話はしない。長い時間をかけていろいろな方向にその話を進めることもできるけど、それは何の役にも立たない」

「俺はこのチャンスを得てワクワクしている。アトランタ・ファルコンズのクオーターバックを務めることは本当に光栄なことだと思っているし、彼らが俺に与えてくれたこのチャンスを、毎日の努力を通じて生かそうとしている」

今週、OTA(チーム合同練習)が始まった中で、カズンズもペニックスも望んでいなかった状況を最大限に活かそうと努力しており、2人はチームの練習場で頻繁に並んでパスを投げていた。

カズンズはタイラー・ハイニケを含むファルコンズの他のクオーターバックたちとの競争を楽しんでいると語り、クオーターバック陣を“お互いを支え合う力”と表現した。この日未明にポッドキャスト“Bussin’ with the Boys(バッシン・ウィズ・ザ・ボーイズ)”に出演したカズンズは、ペニックス指名をめぐるファルコンズとの間に“不和”はないと話している。

また、カズンズはこれまでのペニックスの対応に賛意を示している。先週、ペニックスはカズンズから学ぶのは“恵まれている”ことだとコメントしていた。

カズンズは火曜日に記者団に対して「マイク(マイケル・ペニックス)は素晴らしい。このリーグでは常に競争があるし、いつも自分で勝ち取りにいかなきゃならない。自分でコントロールできることはコントロールするし、コントロールできないことがたくさんあることも理解するつもりだ。自分でコントロールできることに集中しなきゃいけないことを、俺はずっと前に学んだんだ」と話した。

カズンズは火曜日に、ドラフト当日の出来事を振り返っている。メルセデス・ベンツ・スタジアムで実施されていたチームイベントから車で帰宅中にファルコンズから電話があり、ドラフト1巡目の全体8位でペニックスを指名する予定だと告げられたとカズンズは説明。カズンズはその話を“ごく単純なものだった”と表現しており、その使い古された話題から先に進もうと試みていた。

とは言え、ファルコンズでのこれまでの短い在任期間中に、カズンズにとって単純と言えることはほとんどなかった。

カズンズの長期的かつ最大の課題は、昨年10月に負ったアキレス腱断裂への対処だ。9カ月間のリハビリのうち約6カ月を終えたカズンズは、復帰予定の8月よりももっと早く戻りたいとコメント。

ファルコンズのヘッドコーチ(HC)ラヒーム・モリスは、カズンズがトレーニングキャンプまでには実質的にフル参加できるはずだと言及している。火曜日に行われたコンタクトなしの練習でアキレス腱の具合を確認したカズンズは“とてもいい感じだ”と述べた。

カズンズはリハビリについて次のように語っている。

「とても順調だ。今日は今までで一番いい調子だったと思う。ファルコンズのトレーニングスタッフは毎日のリハビリで俺と一緒にいい仕事をしてくれているし、すべてがいい方向に向かっていると思う」

「3月にここに立ったとき——ここに来たばかりのとき——練習でどれだけのことができるのか確信が持てなかったけれど、今日は通常だったらできることがすべてできたと感じた。最初に話したように、それは持続性を確立したり、この過程を共有したりする上でとても重要なことだ。だから、それは大きな助けになるし、ここからどれだけ早く回復できるかが楽しみだよ」

カズンズを巻き込む問題は本人の健康だけにとどまらない。3月13日にフリーエージェント(FA)期間が始まってわずか2時間足らずで、カズンズがファルコンズと1億8,000万ドル(約2681億6,505万円)の4年契約にサインしたことに関連し、ファルコンズが契約交渉で不正行為(タンパリング)を働いたのではないかという調査が未だ解決していない。

3月に行われた入団記者会見で、カズンズはファルコンズのメディカルスタッフと話したことがタンパリング調査につながったと言及。カズンズはリーグが進めている調査を尊重しつつ、自身の発言は大げさに受け取られたという趣旨を示唆しており、こう弁明している。

「リーグはまだその問題について調査中だから、結果が出るまでは何も言うべきではないと思っている。記者会見で何か発言したのは、無実だからこそさ」

【KO】

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