ベンガルズに長く在籍してスーパーボウル優勝に導きたいとDEヘンドリックソン

シンシナティ・ベンガルズのトレイ・ヘンドリックソン【NFL】

ディフェンシブエンド(DE)トレイ・ヘンドリックソンは報酬アップを望んでいる。同時に、ヘンドリックソンはシンシナティ・ベンガルズをスーパーボウル優勝に導きたいとも思っている。

この相反する気持ちによって、契約に対する不満を理由に先月トレードを要求したにもかかわらず、ヘンドリックソンは自主参加のオフシーズンワークアウトに参加した。

「ビジネスとチームを分けるのは難しい。どこまでいけば自分の望みと矛盾することになるのかを考えさせられる」とヘンドリックソンはチーム専属記者のジェフ・ホブソンに話している。

「長期的には試合に勝つこと、そういったことこそが俺がシンシナティでやり遂げたいことだ。俺が離れることはチームにとって何のプラスにもならない」

ヘンドリックソンはキャリアハイとなる17.5回のサックを記録したばかり。昨シーズン、他のベンガルズの選手が最高でも6回のサックにとどまる中、ヘンドリックソンはNFLで同率2位につけるサック数を積み上げた。

「この成績は周りに良いチームがいたことを意味している」とヘンドリックソンは言う。

「つまり、個人的な成果を挙げる機会を与えてくれたチームメイトがいたということだ。俺ひとりでパスラッシュはできない。(守備コーディネーター/DC)ルー・アナルモのように、第3ダウン残り8ヤードの場面でフリーになって、ストリップサックを決められるようなパスカバレッジを計画することもできない。(ヘッドコーチ/HC)ザック・テイラーが14点のリードを作ってくれることで、サックが狙いやすくなる。それがフットボールだ。ディフェンスだけじゃない。ディフェンシブラインだけでもダメだ。チーム全体の力が必要になる」

29歳のヘンドリックソンは2024年に1,480万ドル(約23億1,486万円)、2025年に1,580万ドル(約24億7,127万円)を稼ぐ予定となっているが、契約に保証金は残っていない。昨年、ベンガルズは800万ドル(約12億5,072万円)のサインボーナスを含む1年の契約延長という形でヘンドリックソンの報酬を増やし、2023年の契約を500万ドル(約7億8,170万円)増額した。

ヘンドリックソンの年間平均2,100万ドル(約32億8,314万円)という給与は、エッジラッシャーの中で11位となり、自身の成果と価値に見合った報酬の増額を望んでいる。

ヘンドリックソンはベンガルズのフロントオフィスに対して敵意を抱いていないことを付け加え、報酬の増額という要求に対して「包み隠さず敬意を持って」対応してくれたと話している。

理想通りの世界であれば、ヘンドリックソンは報酬を増やしてもらった上でベンガルズに残り、ロンバルディトロフィーを追い求めるだろう。しかし、“良いとこ取り”の選択肢がない中で、ヘンドリックソンはリーダーとしてまい進し続けることを選び、フィールド上の目標だけでも達成しようとしている。

ヘンドリックソンは次のように胸中を語った。

「セーフティ(S)ダクストン・ヒルがコーナーバック(CB)としてプレーできる手助けをしたい。ジャメイン・プラットとローガン・ウィルソンがラインバカー(LB)としてもっとプレーを読めるようにしてあげたい。クオーターバック(QB)ジョー・バロウのためにボールを奪い返したい。2024年と2025年のベンガルズがどんなチームになるか、今日それを垣間見ることができた」

「タックルバッグを使ってルーキーがベテランと一緒に練習する場面もあったし、ディフェンス全体で集まって、これからどうやって連携するかを試し始めた。これは新しいチームの第一歩で、そこに俺がいないことや、自分のフラストレーションをディフェンスのミーティングルームに持ち込むことは間違っている気がするんだ」

ヘンドリックソンがフリーエージェント(FA)で加入して以来、ベンガルズは多くの勝利を手にした。3シーズンで31勝19敗の成績を収め、スーパーボウル進出とAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでの敗北を経験した。次にヘンドリックソンが望むのは銀メッキのトロフィーだ。

「俺はスーパーボウル優勝を目指している。クオーターバックをはじめ、それを実現するための選手はそろっている」と言うヘンドリックソンは、次のように続けた。

「長くここにいたい。フットボールの試合に勝ちたい。そしてベンガルズをスーパーボウル優勝に導きたい」

【RA】

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