護送車を待ち伏せ襲撃、刑務官2人死亡し囚人逃走 フランス北部

フランス北部ノルマンディー地方ルーアン近郊で14日、受刑者を護送していた刑務所の車両が武装集団の待ち伏せ襲撃を受けた。刑務官2人が死亡し、武装集団と受刑者は逃走した。

捜査当局などによると、護送車は午前11時ごろ、高速道路A154のルーアン近郊の料金所で車に衝突された。「ザ・フライ」の呼び名があるモハメド・アムラ受刑者(30)を、ルーアンの裁判所からエヴルーにある刑務所に移送中だった。

直後に武装集団が刑務官らに発砲し、2人を殺害、2人に重傷を負わせた。エリック・デュポン=モレッティ法相によると、刑務官らは「重火器」で撃たれたという。

武装集団は車で逃走した。警察と国家憲兵隊が数百人態勢で行方を追っている。警察は、逃走に使われたとみられる車が、犯行現場近くで乗り捨ててあるのを見つけたとしている。

エマニュエル・マクロン大統領は、「犯人らの発見に全力が尽くされている」とX(旧ツイッター)に投稿した。

捜査当局などによると、アムラ受刑者は10日に強盗罪で有罪判決を受けた。また、南部マルセイユの検察から誘拐死亡事件で起訴されていた。

同受刑者はマルセイユのギャングと関係があるとされる。マルセイユでは、麻薬が絡んだギャングらの暴力が問題化している。

デュポン=モレッティ法相は、殺害された刑務官2人について、「一人は妻と、2日後に21歳の誕生日を迎える子ども2人がいた。もう一人は妊娠5カ月の妻がいた」と明らかにした。

そして、「この卑劣な犯罪の犯人を見つけるため、あらゆる手段を講じる」と表明した。また、犯人について、「人命を何とも思わない人々」だとした。

(英語記事 France prison van attack: Huge manhunt after prison officers killed in ambush

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