【Mリーグのリアル何切る?】どの待ちでリーチ? 二階堂亜樹の思考

4月30日第2試合 東4局0本場 東家・二階堂亜樹の6巡目(3万5100点・2着目、ドラ=1萬)

写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう。

ドラ暗刻の勝負手。5筒を持ってきてテンパイしたところだ。

【答え=4萬(リーチ)】親の満貫確定リーチ。絶対に外せない選択だ。ドラの1萬を暗刻にした二階堂亜樹(風)に迫られたのは、2・5萬の両面待ちか、2・3萬の変則2面待ちか。どちらも打点は変わらず、純粋なアガリやすさの選択だが、こういう時こそトップ雀士は間違えない。一見オーソドックスな両面待ちではなく、4萬切りのリーチで変則2面待ちを成功させた亜樹の思考はどんなものだったか。

まず河を見た。序盤ながら2萬は2枚切れている。ドラの1萬は自分が暗刻。3萬がまだ山に残っていそうだという感触があった。選択が裏目に出た5萬を引いた場合でも、2萬が出てくる期待度は、それほど下がらないという。「ドラが1萬なので、1・3萬といったドラを含んだカンチャン待ちのケースがあります。また4萬切りリーチの場合、通常の両面待ち以外に、2・2・4萬から2萬と他の牌でのシャンポン待ちというケースも多い。仮に5萬が通って両面待ちが否定された場合でも、2萬はなかなか切られない牌ではあります。しかし今回は2萬が既に2枚切れていて、2萬を含んだシャンポン待ちは否定されている。またドラが1萬とはいえ、赤入りルールなので1・3・4萬と持っていた場合、待ちの広さと赤受けもある中、わざわざカンチャン待ちにはしないと読むと思います」。自分都合というよりも、相手からどう見えるかという思考だ。

デメリットといえば、もし1萬を引いてきた場合、待ちが変わってしまうためにカンができずツモ切るしかないこと。しかし同じく暗刻で持っていた8索を引く確率も変わらず「誰かに押し返された場合、8索の方が危険度が高い」とも考えた。また、1萬が放銃となるには、見た目に残り2枚しかない2萬を持っているケースしかなく、リスクは低そうに見えた。

正解を選択した亜樹の待ちに、追っかけリーチをした白鳥翔(A)が飛び込み、2萬で出アガリ。裏ドラをめくったところ、なんと5枚の大サービスとなり倍満に。キャリアハイの特大トップを取る原動力になった。

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