中部薬品/AI自動発注率8割に、滞留在庫も3割削減

バローグループの中部薬品は5月15日、日立システムズのAIによる需要予測型自動発注システムを導入し、自動発注率が80%を超えたと発表した。

<自動発注率8割に>

従来のシステムは、日配品など需要波動の高い商品群の予測精度が低く、季節変動や売り場変更に合わせて指数を変更して対応するなど運用にも多大な労力を要していた。2023年8月から新システムを採用し、棚割情報や特売情報・イベント情報・気象情報などを整備、連携することで、統合的な商品管理基盤の構築に取り組んできた。

変動要因となる30種類の要素データを分析する需要予測計算によって、今まで難しかった消費期限の短い日配品についても、高い精度で需要や適正在庫を予測できるようになった。

どの商品をどちらにどれくらい陳列し、いつ販売するかなどの棚割に関する情報を入力された「棚割システム」と連係しながらAIが高度な需要予測を行い、それに基づく発注量を提案。同時に、特売、季節行事、ポイントイベントなども加味することで、棚替え時の発注作業を強力にサポートしている。加えて、新商品および代替商品への入れ替え時に、予定日に向けて在庫を自動抑制(売り減らし機能)し、現時点で滞留在庫(棚割り除外品在庫)を約3割削減している。

従来のシステムでは商品単品単位で安全在庫(指数の変更)を設定しており、運用の大きな負荷となっていたが、新システムでは、演出在庫・経済的発注量の調整パラメーターを商品分類単位で設定し、在庫量・発注量をコントロールする運用が可能となり、システムの運用負荷を軽減している。

今後、約90%以上の自動発注率を目標としている(1週間で1000時間以上の発注作業削減)。また、商品改廃時のAI在庫制御(売り減らし機能)の継続活用により、より在庫を圧縮し、MDサイクルのスピード向上を図る。

さらに、店舗在庫の最適化スキームを流通在庫にも還元すべく、まずは物流センター在庫への部分連携に着手している。蓄積された内部データを丹念に分析することで、精度向上と適用範囲の拡大したい考え。

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