異変…不審な動きをする客、駅周辺の飲食店に 警官が気付いて職質、事件発覚し逮捕 女性だまされ、知らぬ間にカードを奪われていた ニセの“警視庁職員証”も持っていた23歳

男が携帯していた偽物の警視庁職員証(県警提供)

 埼玉県警組織犯罪対策(組対)3課と岩槻署は13日、窃盗の疑いで、仙台市宮城野区安養寺1丁目、自称会社員の男(23)を逮捕した。

 逮捕容疑は氏名不詳の者と共謀し、1日午後4時43分ごろ、栃木県那須塩原市の女性(88)方に警察官を名乗って「詐欺グループが捕まり、口座から金が引き出されている」「警察官がキャッシュカードを確認するため自宅に行きます」などと電話をかけ、3日午前11時25分ごろ、警察官を装って女性方を訪れ、キャッシュカード2枚を入れた封筒をすり替えて盗んだ疑い。「キャッシュカードをすり替えた」などと容疑を認め、動機を「借金返済のため」などと供述しているという。

 同課によると、13日に岩槻署管内で特殊詐欺の予兆電話があり、岩槻駅周辺を警戒していたところ、付近の飲食店で不審な動きをしている男を発見。事情を聴いたところ関与が分かった。

 男は現金を受け取る役の「受け子」とみられ、女性方に向かう際に偽造の警視庁職員証を持っていた。盗まれたキャッシュカード1枚からは現金100万円が不正に引き出されていた。

 男は交流サイト(SNS)経由で高額バイトのあっせんを受ける募集に応募しており、ほかにも数件の関与をほのめかしているという。

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