中国で世界最大規模を誇るリアルタイム地震観測網が完成

中国国家震度速報・警報プロジェクトがすでに完成し、世界最大規模を誇るリアルタイム地震観測網が完成したことが明らかになった。資料写真。

中国国家震度速報・警報プロジェクトがすでに完成し、世界最大規模を誇るリアルタイム地震観測網が完成したことが明らかになった。科技日報が報じた。

中国地震局・工程力学研究所の研究員で国家地震震度速報・警報プロジェクトのチーフエンジニアの馬強(マー・チアン)氏は、「地震発生後、破壊的な地震波が到達する数秒から数十秒前に緊急地震警報が発表されると、避難したり、緊急措置を講じたりする時間ができる」と紹介した。

警報システムが提供する警報から到達までの時間を利用して、住民は避難するなどの必要な措置を講じることができ、死傷者を減らすことができる。また、高速列車の緊急停止やガスパイプラインの供給停止、原子炉の運転停止など、重大インフラやライフライン事業、重要な生活設備などに緊急措置を講じて、二次災害の発生を避けることができる。

馬氏は、「国家震度速報・警報プロジェクトは2023年末に完成し、すでに業務として運用が始まっている。同プロジェクトにより、中国の重点地域は地震発生から秒レベルで緊急地震警報を発表することができるようになり、全国では地震発生から分レベルで震度速報を発表することができるようになった。プロジェクトが完成し、テレビやラジオ、インターネット、ニューメディア、情報受信端末などを発表プラットフォームとし、中国の各級政府や社会の人々、小中高校、業界・企業といったさまざまなユーザーに緊急地震警報、地震パラメーター速報、震度速報、地震動パラメーター速報などの情報を提供することができるようになった」とした。

ただ、馬氏によると、緊急地震警報にも限界があり、全ての地震で影響を受ける全ての地域の減災につながるわけではないという。技術的に「死角」も存在し、被害が深刻になる地域ほど警報受信から揺れが到達するまでの時間が短くなるとしている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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