札幌市、路面電車の運賃改定に向け申請

札幌市電の車両

札幌市電の運行業務を担う札幌市交通事業振興公社は15日、旅客運賃の上限変更認可を、北海道運輸局に申請した。

申請した上限運賃は、大人普通旅客運賃が230円(現行200円)、同小児運賃が120円(現行100円)、通勤定期旅客運賃の1か月が8690円(現行8190円)、通学定期旅客運賃の大人1か月が5930円(現行5870円)など。いずれも均一運賃となる。また、地下鉄との乗継時に適用する運賃は、現行運賃に大人30円、小児20円をそれぞれ加算した額とする。

同社は、実際に適用する「実施運賃」や、その他の運賃については、認可後に改めて知らせるとしている。運賃改定は、12月1日の実施を予定している。

同社では、今回の申請に至った背景として、コロナ禍で定着した行動変容の影響により、当初見込んでいた乗車人員を下回る状況が続いていること、電気料金の値上げや物価上昇による経費の増加による経営圧迫などを理由に挙げている。加えて、札幌市交通局に対する施設使用料の増加見込みや、人材確保面などの課題から、路面電車事業は当面厳しい経営状況が続く見込みだという。

同社や札幌市交通局では、今後の増収に向けた取り組みとして、記念乗車券の発売、「シリウス」ラッピング広告の販売、停留場ネーミングライツの本格実施に向けた検証を実施すると説明。また、安全性向上やサービスアップなどの取り組みとして、低床車両の年1両ペースでの導入、停留場バリアフリー対応の推進、乗り心地向上に寄与する制振軌道化の推進などを掲げている。

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