ボッシュ、602馬力ツインターボの水素エンジン車を開発…ルマンでデモ走行へ

ボッシュの水素エンジン搭載のデモンストレーター車両、リジェ JS2 RH2

ボッシュは6月に、水素エンジン搭載のデモンストレーター車両、リジェJS2 RH2』をルマン24時間耐久レースで初公開し、デモ走行を行う。ボッシュが5月13日に発表した。

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ボッシュとリジェは、システマティックなアプローチにより、602hpの最大出力、650Nmの最大トルク、優れた過渡応答を持つ3.0リットルツインターボの水素エンジンを開発した。さらに、0~35度の外気温下での極限条件における水素システムの耐久性と長期性能が、広範なテストとシミュレーションによって確認された。

高速テストでは、車両が280km/hを超える最高速度に繰り返し到達し、300km/hに近い速度の可能性を示した。全体で5000km以上のテスト走行を完了し、特別な異常は見られなかった。これは、ルマン24時間レースで優勝チームが走行する距離に相当する。

現在、モバイルアプリケーション向けの水素の貯蔵コンセプトは、主に高圧(700バール)での気体水素が使用されているが、液体水素も長期的には代替の貯蔵オプションとなり得ると見込む。ボッシュとリジェは、この技術を用いて開発を拡大しており、液体水素システムを車両に搭載するための初期コンセプトスタディをすでに製作している。

リジェJS2 RH2の開発において、ボッシュは車両全体の設計を担当し、エンジンとタンクのコンセプト開発、包括的な多段階水素安全システムを実装した。リジェは、車両の動的性能、モノコックの設計、既存のリジェ『JS2 R』のシャシー適応、冷却システムの最適化を担当した。

なお、リジェJS2 RH2は6月、第92回ルマン24時間レースのスタート直前に行われる世界初の水素エンジン車によるデモラップに登場する予定、としている。

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