「万博やってる場合じゃない」介護保険料、大阪市が全国ワースト9249円の一方で万博負担「ひとり2万7000円」試算に市民の怒り爆発

大阪市の横山英幸市長

65歳以上の高齢者が支払う、介護保険料の高額化が止まらない。

「介護サービスの費用は、要介護の認定を受けた利用者が原則1割を負担。残りの半分を税金、半分を40歳から64歳までの現役世代と65歳以上の高齢者が支払う介護保険料でまかないますが、この高齢者支払い分の上昇が止まりません。

介護保険料は3年に1度、納める額の見直しがおこなわれ、2024年はその改訂年度になりますが、65歳以上が支払う保険料は、改定のたびに上がっています。4月に公表された最新の改訂額を市町村ごとにみると、もっとも高い自治体は大阪市で9249円、もっとも安い自治体が東京都小笠原村で3374円。およそ6000円の開きがありました。ちなみに、介護保険制度が始まった2000年度の大阪市の保険料は、3381円でした」(経済担当記者)

全国平均でみても、2000年度は月額2911円だったが、2024年度は同6225円と、2倍以上になっている。さらに2040年度には、同9000円程度になるという試算もある。

なぜ大阪市は高く、小笠原村は安いのか。

「理由として、大阪市はほかの自治体と比べて、ひとり暮らしの高齢者が多いことをあげています。ひとり暮らしは、ヘルパーさんなどサービスの利用が多くなる傾向があります。また、所得が低い人の割合が多いことも、保険料アップの一因のようです。大阪市は、市民税非課税の高齢者が多いという調査結果があります。また、大阪市に次いで守口市が8970円、門真市が8749円と、大阪府内には高い自治体が目立ちます。

一方の小笠原村は村内に介護施設がなく、訪問介護が中心なので、保険料が低く抑えられていると分析されています。全国的には、介護職員の待遇改善などで保険料が高額化しています」(経済ジャーナリスト)

大阪市の保険料が高額なことに、横山英幸市長は5月14日、「たいへん大きな負担になっていると思う」と認め、「高齢になっても介護を受けずに元気で暮らせる状態がベストなので、健康寿命を延ばし、介護をできるだけ受けないようなまちづくりをしていきたい」と述べたが、「2025年大阪・関西万博」で市が負担する費用の総額は、市民ひとりあたり約2万7000円になるという試算が出ている。これを受けてXには《万博予算、高騰の埋め合わせかな?》《大阪関西万博やってる場合じゃないよこれ》《万博やカジノには無制限で税金を投入。市民の事など全く無視》など、憤懣の書き込みが殺到していた。

派手な国威発揚よりも、幸福な老後を市民は望んでいる。

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