ニトリ/増収増益記録36期で止まるも似鳥会長「社員に感謝」

ニトリホールディングスは5月14日、2024年3月期決算を発表し、上場前から36期連続、1989年の上場後33期連続となる増収増益記録が途絶えた。

売上高は8957億9900万円(前年同期比5.5%減)、営業利益1277億2500万円(8.8%減)、経常利益1323億7700万円(8.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益265億2300万円(9.0%減)だった。前期は、決算期を2月から3月に変更したため、13カ月11日間の決算数値となるが、単純比較で減収減益となった。

<似鳥会長>

増収増益記録が止まったことについて、似鳥昭雄会長は、「国内企業として36年、上場企業として33年間、増収増益だった。こういった目標は、特になかったが、気が付いたら10年、20年となっていたので、どこまでやれるか、可能な限り、それに挑戦してみようと思ってやってきた。ただ、ここに来て、円安が進んだ。これは断念せざるを得ない。一昨年前は(1ドル)115円台、昨年は130円~132円、いまは155円なので、40円の円安となった。1円で20億円の為替差損なので、800億円の損失となった。800億円というのは、普通の会社なら潰れてしまう」と増収増益が止まった要因を説明した。

その上で、「こういった状況で、『ありとあらゆる努力して、うちの社員は良くやってくれたな』と本当に感謝している。20円ぐらいまでならなんとかなったが、40円、800億円では、これはもう限界だった。諦めて仕方ない。100年に1回あるかないかの状況を、私も初めてだったが、やってきた。これまでもピンチを社員とともに乗り越えてきたが、今回は、無理だった」と語った。

来期以降については、「これからまた新たに、やっぱり世界記録を狙って、私はその時、死んでると思うけど、社員が長く努力を続けられるような仕組み・体制を作ってバトンタッチしたい。むしろこれからが楽しみだ。海外は無限だ。楽しみは山のようにある。ワクワク、ドキドキ。たまにハラハラ、ドキドキもあるが、挑戦のし甲斐がある。本当に今までやってきて、生きてて良かったなという心境だ。これから、また10年、20年、30年と増収増益をやっていきたい」と意気込みを述べた。

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