ニューカレドニアに非常事態宣言、暴動の死者4人に 仏軍派遣へ

Kirsty Needham Juliette Jabkhiro

[シドニー/パリ 15日 ロイター] - フランス政府は15日、南太平洋にあるフランスの特別自治体ニューカレドニアに非常事態を宣言した。選挙制度の変更に反発した暴動により、憲兵1人を含む計4人が死亡したことを受けた措置。

主要港や空港の警備に向け、仏軍の派遣も発表した。

非常事態は現地時間16日午前5時に宣言され、当局は集会や島内の移動を制限する追加措置を講じることが可能となる。

大統領府報道官は警察から提供された情報として、死亡者のうち3人は先住民カナクの若者と明らかにした。

仏政府当局者は工業地帯で1人が射殺されているのが発見されたと発表した。ルフラン高等弁務官は、発砲したのは警察ではなく「おそらく自衛しようとした人物によるもの」との見方を示した。店舗や学校は15日も閉鎖されたままとなった。

本国フランスのマクロン大統領とニューカレドニアのマプ自治政府大統領は、冷静になって対話するよう呼びかけた。

フランスの国民議会(下院)は今週、ニューカレドニアに10年間住んでいるフランス系住民に地方選挙での投票を認める法案を審議した。先住民カナクの発言権が低下するとの懸念が強まり暴動に発展した。

法案はその後、賛成多数で可決され、仏政府はニューカレドニアで選挙が民主的に行われるために投票規則の変更が必要と訴えた。

マクロン大統領は上下両院の特別会議で同法案が承認される前に、ニューカレドニアの独立賛成派と反対派の間で対話を開くことを提案した。

独立派の主要政治団体、カナク社会主義民族解放戦線(FLNKS)は15日の声明で、マクロン氏の提案を受け入れると表明。「ニューカレドニアが解放への道を歩むことを可能にする」合意に向けて取り組む用意があると述べた。

ニューカレドニアは世界3位のニッケル生産地としても知られる。

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