若い知恵で温泉活性化 福島県の帝京安積高と磐梯熱海温泉観光協会 華の湯社長が出張授業、生徒が現状に理解

菅野社長の話に耳を傾けるビジネス総合科の3年生

 福島県郡山市の帝京安積高ビジネス総合科の3年生は今年度、市内の磐梯熱海温泉の活性化に向け、磐梯熱海温泉観光協会との連携事業に取り組む。14日はホテル華の湯の菅野豊臣社長(協会理事)の出張授業が同校で行われ、生徒が温泉街の現状に理解を深めた。

 高校生の視点で地域課題を掘り下げ、観光素材の発掘や情報発信、新商品開発などを目指す。観光ビジネスの授業を選択した85人が参加している。

 菅野社長は温泉の歴史や萩姫まつりなどのイベント、温泉コンベンション・スポーツ温泉としての魅力、災害時に旅館を避難所とした経験などを紹介。年間入り込み数や宿泊者数を示し、インバウンド(訪日客)誘致を含めた交流人口増加の必要性を強調した。「観光=まちづくり。業種の壁を越えてやりたい」と語った。

■17日、温泉街を視察 23日は地域の清掃、塗装作業

 生徒は4月から授業で磐梯熱海温泉の課題を探ってきた。17日に希望者が温泉街を視察する。23日は地域貢献の手始めとして、地域の清掃や塗装作業に励む。今後、日本きもの美術館で着物の仕分けなどに取り組む予定。地元のイベントにも参加する。

 各種事業は経済効果や継続性などを踏まえて進める。来年2月ごろに報告会を開く。

(郡山版)

磐梯熱海温泉の現状などを説明する菅野社長

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