エミネムの別人格「スリム・シェイディ」死す 米デトロイトの新聞に訃報掲載

米ラッパーのエミネム(Eminem)さんの別人格「スリム・シェイディ」の訃報が、米デトロイトの日刊紙・Detroit Free Pressで5月13日に掲載された。

「OBITUARIES(死亡記事)」という文言の下に、ホラー映画「13日の金曜日」のジェイソンさながら、ホッケーマスクとオーバーオールを着たエミネムさんの写真が配置。

続けて、「Slim Shady Made Lasting Impressions/Fans ‘Will Never Forget’ Controversial Rapper(スリム・シェイディが残したもの/ファンが“忘れられない”賛否両論のラッパー)」と見出しが付けられている。

最新アルバム『The Death Of Slim Shady』のPR施策

この訃報は、エミネムさんが今夏リリース予定の最新アルバム『The Death Of Slim Shady (Coup De Grâce)』のPR施策。

Detroit Free Pressによれば、広告スペースを代理店が買い取ったという(その為、記事の末部には「ADVERTISEMENT(広告)」と明記されている)

この偽の死亡記事には、スリム・シェイディの来歴や「結局のところ、彼が使う道具と思われるものそのものが、突然恐ろしい結末を迎えるしかない存在を定義する名刺となった。の複雑で苦悩に満ちた存在は終わりを告げ、彼が残した遺産は、このキャラクターがこの世を去った方法ほど解決に近づいていない」と、最新アルバムへの布石と思われる不穏な文章が綴られている。

エミネムのもう一つの人格「スリム・シェイディ」

エミネムさんは、黒人文化のヒップホップ・カルチャーにおいて、白人としてはじめて成功を収めたラッパー。デトロイト出身。

全世界でアルバム・シングルの売上が2億2000万枚を超える、史上最も売れたラッパーのひとりだ。

スリム・シェイディは、そんな彼が、1stアルバム『Infinite』が思うような結果に繋がらず、ストレスの中で生み出した別人格(オルター・エゴ)。

エミネムさんの楽曲に度々登場し、時に痛快に、時に痛烈にディスる(批判する)キャラクターとして人気を博してきた。間違いなく、エミネムさんが現在の地位に上り詰めた立役者のひとりである。

そんなスリム・シェイディの“死”を宣言した最新アルバム。果たしてどんな作品に仕上がっているのだろうか。要注目。

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