チョコやコーヒーに待ち受ける「甘くない未来」!?…最大産地・西アフリカの異常気象で「カカオ豆」が1年前の“3倍以上”に高騰

ある「お菓子」をどのぐらいの頻度で食べているかという、調査結果を見てみると、ほぼ毎日食べているという人も一定数いますし、週に1日~3日は食べると答えている人は4割以上です。

この「お菓子」は何でしょうか?

実は、チョコレートのお菓子を食べる頻度を表しているんです。頻度に違いはありますが、圧倒的多数の人がチョコレートをよく食べていることがわかります。モノの値段が上がっている今、このチョコレートにも異例の事態が起きているんです。

アナウンサーリポート
「皆さんが大好きなチョコレートですが、近い将来甘くない現実が待っているかもしれません…」

世の中のチョコレート業界が、今、大ピンチ!そのわけは、原料となる「カカオ」の歴史的な高騰です。ニューヨーク市場での先物価格は、1年前には1トン当たり3000ドル台だったものが、じわじわと上がり続け先月には、3倍以上の1万ドルの大台を突破しました。

背景にあるのは、最大産地のコートジボワールや、ガーナでの天候不良。カカオ豆が育つ木が枯れるなどの被害に見舞われ、生産量が大きく落ち込んでいます。

ガトーショコラ専門店クロネコジャック・若田順也さん
「苦しいし、チョコレートが今までの皆さんの位置から変わって行っちゃうのかな?プレミアムなものになってっちゃうな」

「ビーンショック」とも言える、世界的な価格高騰の影響は、県内にも。カラフルでポップなガトーショコラが人気を集めるこちらの専門店では…

ガトーショコラ専門店クロネコジャック・若田順也さん
「全体的には『5%』値上げというところ。けど年内にもまだ上がるよってことを伝えられているので…」

こちらの店舗では2024年2月、仕入れ先のメーカーが、原料を5%値上げ。幸い、ベトナム産を使っていることで、値上げ幅は最小限に抑えられているといいますが、それでも、苦渋の決断を強いられています。

ガトーショコラ専門店クロネコジャック・若田順也さん
「うちは耐えてる。チョコの品質を落とす訳にはいかない。チョコレートの量を減らしてそれを補う香料はどうですか?とか、そんな提案もメーカーから来てる」

コーヒー注ぐ値上げの波は、コーヒー豆にも。金沢市の老舗メーカー「ダートコーヒー」によりますと、ブラジルでの異常気象などの影響を受け、価格はこの4年間で通常の相場よりも2倍近く上昇。

さらにここ数ヶ月は、「円安」が追い討ちをかけているといいます。

ダートコーヒー取締役・中西泰仁業務部長
「コーヒーは3年間実がならないので1年どうしても取れなくなる年も続いた。これから先価格も含めてコーヒーが飲めるのか?というところも大事なところ」

「2050年にはコーヒーが飲めなくなる」そんな研究結果もあるといい、業界は苦境に立たされています。

ダートコーヒー取締役・中西泰仁業務部長
「ちょっとした一杯も楽しんでもらえることがコーヒーの1番大事ところだと思っているし、無くしてはいけない風に思っているので私たちも精一杯美味しいコーヒーを届けられるよう頑張っていく」

私たちに癒しのひと時をくれる、コーヒー、そしてチョコレート。これらが贅沢品となる未来は、そう遠くはありません。

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