遠野シカ肉ご賞味あれ 岩手・ジビエの里、市内飲食店へ初出荷

開業した遠野ジビエの里でシカ肉を処理する及川知也代表

 岩手県遠野市の毘沙門商会(及川知也代表)が同市綾織町に整備した食肉処理加工施設「遠野ジビエの里」は11日、ニホンジカの肉を市内の飲食店に初出荷した。地元のハンターらと連携して地元資源を有効活用し、個人向けの商品販売や首都圏への販路拡大を見据える。

 施設(木造平屋117平方メートル)は洗浄、剥皮、内臓摘出、カット、包装の各部屋と熟成庫、冷凍庫を備える。同日は及川代表(42)らが丁寧に処理作業を行ったシカ肉を飲食店に届けた。

 当面の精肉価格はすじ肉やヒレ肉の100グラム当たり290~720円(税抜き)。レストランおのひづめ、遠野食肉センターなど市内数店舗で提供される予定だ。品質によって規格を設け、銃を使って捕獲した3歳以下の雄または4歳以下の雌で、現場で血抜きをし、1時間以内に施設に搬入した「最高級」の出荷も目指す。

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