1億4千万円支払い判決、神戸市が控訴意向 庁舎点検中に転落、後遺症の28歳男性が提訴

神戸市役所=神戸市中央区

 神戸市役所本庁舎(同市中央区)の設備点検業務中に転落し、後遺症を負った男性(28)=京都府=が同市やメンテナンス業者に損害賠償を求めた訴訟で、市は15日、市などに約1億4千万円の賠償を命じた神戸地裁判決を不服として控訴する意向を明らかにした。

 同日の市会本会議で説明した。判決によると、男性は派遣労働者として2017年7月、メンテナンス業者従業員の補助者として庁舎内で作業。ダクト内を点検するため、2階と3階を結ぶ階段の踊り場に設けられた点検口に足を踏み入れたところ、その先に床がなく、5.76メートル下に転落した。脊髄損傷などで常時介護が必要な後遺症を負った。

 今月10日の一審神戸地裁判決は、事故防止措置が不十分だったなどとして市側の責任を認定した。これに対し、市は「事業者には事前に現地を案内しており注意喚起に瑕疵はない」などとした。市会審議を踏まえ控訴するかどうか最終判断するという。(金 旻革)

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