海ごみを新しい製品へ 粟島で環境美化プロジェクト 東京藝大学長・日比野克彦さんも参加 香川・三豊市

香川県三豊市の離島、粟島で環境美化プロジェクトが行われました。海ごみを回収して、その一部を新しい製品へ生まれ変わらせる取り組みです。

三豊市の港から船で15分の粟島で行われたのは、海の環境を調査・発信している「一般社団法人 タラ オセアン ジャパン」が主催する海ごみ回収プロジェクト「Awashima Heart Project 2024」です。

活動を支援する企業や地元、三豊市の職員など約40人が3日間、島に滞在し海ごみを回収します。

環境教育を進める三豊市が日本の自治体で唯一「タラ オセアン ジャパン」と連携協定を結んだことで2023年から実施されています。

(野口真菜リポート)
「今回清掃するのは粟島自慢のスポット、八幡神社の近くです。美しい風景が楽しめる場所ですが、海岸や木々の奥には海ごみが堆積しています」

14日は粟島で若手アーティストの育成をしている東京藝術大学の学長、日比野克彦さんも参加。発泡スチロールでできた船のブイや、細かく砕けた海洋プラスチックなどを見つけました。

(東京藝術大学/日比野克彦 学長)
「谷口さんから発泡スチロールを見ると、宝の山に見えるって」

千葉県から参加した谷口茉優さん(24)。これまでに発泡スチロールや漁網を使って模型や会場装飾などをつくったそうで、2024年、東京藝術大学の大学院を卒業しました。

(千葉県から参加/谷口茉優さん)
「建築の構造部材にもし海洋ごみとかがなったら。建築ってかなり材料を使うんですよ。だから、減らしたいものとめっちゃ使うものが相互にあって、ちょうどうまく消費できたらそんな素敵な話ないなと思って」

主催した「タラ オセアン ジャパン」によると、海ごみは一般のプラスチックごみのようなリサイクルが難しいということです。そのため、プロジェクトでは集めた海ごみの一部をインテリアなどに生まれ変わらせようと考えています。

(タラ オセアン ジャパン/パトゥイエ 由美子 事務局長)
「ここに来た時に、もう『なんて美しい自然なんだろう』って、すごく感動したんですね。海も美しいし、山も本当美しいし、だけどやっぱりプラスチックにあふれていて、小さいことでも多くの人がやったら、それは大きなインパクトになると思うので、ぜひそこを考えていただくきっかけになればいいなと」

「タラ オセアン ジャパン」はこの活動を広く伝えるため、島のアート施設「粟島芸術家村」で実際に回収したプラスチックなどを展示していて、毎週土曜日に一般公開しています。(午後1時~午後4時)

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