電気や水道要らずの環境配慮型トイレ 群馬・安中市の熊ノ平駐車場に整備

熊ノ平駐車場に整備された環境配慮型トイレ

 群馬県と長野県境を結ぶ碓氷峠にある国道18号旧道沿いの熊ノ平駐車場(群馬県安中市松井田町坂本)に、環境配慮型のトイレが整備された。周辺は市が世界文化遺産登録を目指すトンネルや橋梁(きょうりょう)、変電所といった鉄道遺産群が点在しており、新緑から紅葉期にかけて行楽客らでにぎわうため、トイレの設置を求める声が多くあった。

 トイレは電気や下水道が通っていない区域でも使える自己完結型で、県安中土木事務所が整備した。管理する市によると、屋根のソーラーパネルで電力を供給して水は再生水を利用するため環境に優しい。男女別に洋式便器を各1備える。

 熊ノ平駐車場は、唱歌「もみじ」の題材となった紅葉の名所「旧熊ノ平駅」の最寄り駐車場。本県、長野両県側の双方から車の往来がある観光ルート沿いに立地する。同駅は横川駅から続く旧信越線跡に整備された遊歩道「アプトの道」の終着点でもあり、散策を楽しむ人たちからもトイレの必要性が指摘されていた。

 栃木県からドライブで夫婦で訪れた男性(70)は「碓氷峠に新たなトイレができて、本当にありがたい。時間帯によってはコンビニなども開いておらず、助かります」と笑顔を見せた。

 バリアフリー仕様のトイレを希望する場合は、同駐車場から2キロ離れためがね橋駐車場で利用できる。

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