淡路島の夏の味覚ハモのシーズン到来を告げる「鱧供養祭」が15日、兵庫県南あわじ市の離島・沼島周辺であった。淡路の観光、行政関係者らが船上からハモを海に放ち、ハモの霊を鎮めるとともに豊漁、商売繁盛を祈願した。
沼島沖のハモは胴が太く顔が小さい特徴から「べっぴん鱧」と呼ばれる。供養祭は31回目。これまで地元の宿泊、飲食施設などでつくる「灘・沼島観光ふるさと会」が続けてきたが、淡路のハモの知名度が上がってきたため島を挙げてPRしようと、今年から淡路島観光協会の主催になった。
供養祭ではまず同市灘土生の土生港で、ハモが入った水槽を前に法要が営まれ、参列者が焼香。その後、船で沼島沿岸にある上立神岩付近へ移動し、体長約1.1メートル、重さ1.5~2キロのハモ9匹を海へ放った。
同協会南あわじ地区の飛田俊紀会長(70)は「ハモは梅雨の雨をくぐるとさらにおいしくなる。多くの人に淡路島でハモ料理を食べてもらいたい」と力を込めた。(中村有沙)