リーマンを破綻させた男・齋藤栄功氏の初告白本「リーマンの牢獄」出版

齋藤栄功氏

2008年9月、米国でサブプライムローン(低所得者向けの住宅ローン)が崩壊し、大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、世界金融危機「リーマン・ショック」を招いた。

その引き金を引いたとされる齋藤栄功(しげのり)氏が著書「リーマンの牢獄」(講談社)を上梓し、Amazonノンフィクションランキングでは発売前から1位になり注目を集めている。街録チャンネルのインタビューは、再生回数30万に迫る勢いだ。

1962年、長野県生まれ。86年に中央大学法学部卒業後、山一証券に入社。不正会計が発覚し、廃業後は議員秘書、信用組合、外資系証券会社等を経て、医療経営コンサルタント会社アスクレピオスを創業。2008年に詐欺とインサイダー取引容疑で逮捕され、懲役15年の実刑判決を受け、22年に仮釈放された。

服役中、夕食後から就寝までを執筆の時間に充てて、原稿を書きめ、出所後は迎えに来た弟から与えられたPCで執筆した。

齋藤氏の詐欺グループは、リーマン・ブラザーズ日本法人から5回にわたって合計371億円の架空融資を引き出した。大手商社丸紅の保証書を偽造し、丸紅課長が丸紅の会議室を用意し、元白バイ警官が偽の丸紅部長を演じるという華麗な錬金術と演技力には、芸能界のドンも面会を望んだほどだ。

複数台の高級自動車購入、旧王貞治邸の隣に豪邸購入等、バブルな生活をする中、高級エスコートクラブで知り合った愛人に、マンション、BMWを与えて、会社を設立し、パパ活をしなくても生きていけるように事業家として育成するような面もあった。

齋藤氏は「事実を伝えることで犯罪が減少していくようになればと考えています」と語る。

ジャーナリストの阿部重夫氏の監修で、本人とアバターの対話形式の手記になっている。

16日の発売日からオフィシャルユーチューブチャンネル「ako channel」をスタート。本には記せなかった、被害者への謝罪も述べている。

22日には、齋藤氏がパーソナリティーとなり、東京・霞ヶ関で討論イベント「kasumi照らス』を開催。また、6月11日には、東京・歌舞伎町の〝懺悔の神様〟の店「女無BAR」で出版イベントを開催する。

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